ローマ市警察の8割「サボり」 批判噴出に北イタリア出身者が反発「一緒にしないで」
イタリアのナポリターノ大統領が89歳の高齢を理由に辞任を表明し、1月29日に次期大統領選が行われました。いざ開票してみると、投票に参加した上下両院議員など975人のうち538票が白票で、候補条件を満たさないサッカー元代表のトッティ氏に5票入っていたと報じられています。
大らかすぎるイタリア人らしい行動と話題になっていますが、これは政治家だけではありません。昨年の大みそかから元日にかけてローマの市街を警備するはずだった約1000人の警官のうち、83%が「病気」などを理由に欠勤したことが分かり、イタリア首相やローマ市長が「サボりすぎだ」と非難を表明しています。(文:m.shim)
警察も「街の名誉を危機にさらした」と批判
このニュースは、英国デイリーメール紙など複数のメディアが報じたもの。欠勤理由は病欠の他に、献血促進のために職員に付与された「献血休暇制度」を利用した人や、詳細不明の「身体的不調」を訴えて休みを取った職員もいたそうです。
新年を迎えて浮かれた人々が集う市街で、大きな事故や事件が起こる可能性もあった中での大規模な「サボり」に対し、ローマ市長副官は、「受け入れられるものではない」とし、本件に関しての調査を実施中と表明しています。調査の結果によっては法的な措置が取られる可能性も出てきました。
ローマ警察の警視長は欠勤について「全くもって不当である」と発言。「人々の安全だけでなく、地元警察とローマの街の名誉を危険にさらした」ことについて、「新年の祭典(の警備)をサボタージュしようとした態度について強く非難する」と表明しました。
この件に関してデイリーメールのサイトのコメント欄には、ローマ警察やイタリア人の怠惰さに関するコメントが飛び交っています。
「イタリア人は怠け者だな。あと5年以上はどうしたって不景気を脱することはできないだろう」
「一部の国々が他の国々の足を引っ張るっている今のEUの気力の低さについても言えることだけど、これがもし平均的な警察官の行いだったとしたら、市民にどんな期待ができるというんだ?」
「ロンドンで分かった。我々は怠け者ではない」
一方で警察労働連合のトップは、今回の欠勤について以前から行われている警察職員に対する賃金や労働条件、増員に関する「論争内容」のひとつであると反論しています。
「現在は5900人しか職員がいませんが、本来は9400人の職員が必要なのです。この人数ではこれからも24時間、週に7日間のサービス提供はできなくなります」
事情はあるとはいえ、自国の不景気が他のEU諸国に負担を強いているイタリアとしては、あまり報じられたくない事実かもしれません。その一方で北イタリア出身の読者からは、この事件を「一般化して取り上げないで」という反論もあります。
「(北イタリアでは)大みそかの欠勤者は5%しかいかなったよ。それにイタリア人は怠け者じゃない。ロンドンに住んで働いていて分かった。我々はまったく怠け者なんかじゃないってことがね!」
イタリア中部のローマですが、緯度は大らかな風土で知られるスペインのバルセロナやポルトガルのポルトと同じくらい。一方、北部のミラノやヴェネツィア、フィレンツェは地中海よりスイスやオーストリアに近い都市です。「これだからイタリア人は」と一緒にされたくなかったのでしょうね。
(参照)Are you REALLY not feeling well? 83% of Rome’s police officers call in sick on New Year’s Eve
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