各社は働き方改革を進めているが、楽になるどころかかえって負担が増すケースが相次いでいる。キャリコネニュース読者からも悲痛な叫びが寄せられている。
販売・サービス業で働く20代男性の勤務先は、以前からスタッフ不足で苦しんでいた。人員補充のないまま「早く帰れ!」と言われるためやむなく退社するが、当然ながら仕事は減らない。翌日出勤すると、「怒られるか休日出勤を迫られるか」の状態だという。
「短い勤務時間の中で働くので、業務の連絡が滞りがちです。休日にも朝から会社から電話がかかってくることはしょっちゅうですよ。休憩時間もお客様の対応に駆り出され、ほぼ休めません。早朝4時5時から起こされることもあり、心身ともに辛いです」
サービス業にとって働き方改革は”タダで働け制度”
飲食業でスタッフを務める40代女性の基本給は17万円。これまでは残業代を得てどうにか生活してきたが、勤務先が長時間労働による罰金をおそれ、月に40時間を超える残業を許さなくなった。
「でも実際には帰れず、毎月10時間以上はサービス残業をしています。退職しようにも職場に人がいないため、会社が退職届を受理しません。この制度で助かる人が羨ましいです。 サービス業にとっては”タダで働け制度”でしかないのでしょうか」
事務職の30代女性は、朝9時開店の店舗で働いている。以前は開店前に出社し、準備をしていたが、働き方改革で労働時間に厳しくなり、上司から「9時に来い」と命じられる。その結果、開店と同時に客の受け入れができず、迷惑をかける状態になった。
「仕事の量は変わらないのに、残業はできません。お昼休憩に食事をとらずに仕事をしますよ。それでも終わらないときは、コッソリと休日出勤をしています」
「これが日本政府の押し進める『働き方改革』ならば、この先の未来はありませんね」
管理・事務職の20代女性は、働き方改革で20時にパソコンが強制的にシャットダウンされるようになった。以前は上司に申し出れば残業ができたが、この「強制シャットダウン」には大打撃で、「日に日に業務は溜まっていく一方」と嘆いている。
「お昼寝休みと朝の時間を削って、夜は自宅で仕事を片付けています。これが日本政府の押し進める『働き方改革』ならば、この先の未来はありませんね」
技術職の30代女性の勤務先では、働き方改革によって「残業=悪」という状態になっているというのだ。その中で、もともと仕事に意欲的ではない同僚が、「残業になるから」との理由で仕事を投げ出すようになってしまった。
「責任感のある人たちが、それらの仕事をサービス残業でカバーする状況です。仕事は増えても手取りは増えず、早く帰る人が評価されるという三重苦です」
ほかにも、
「『働き方改革』を進めていくための企画・事務作業が増えて、結果的に以前よりも忙しくなった」(20代女性、管理・事務職)
「勤務計画の想定から外れた突発案件への対応が難しくなった」(50代男性、クリエイティブ)
といった声が寄せられている。
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