マツコ、学校生活を振り返り「ほぼ刑務所だった」と語る 「いじめられたら、とっととそんな学校捨てりゃいい」と逃げることを推奨
マツコ・デラックスさんが10月21日放送の「5時に夢中!」(TOKYO MX)に出演し、「日本人はやめる練習が足りない」と自身の学校時代を振り返り、「ほぼ刑務所だった」などと印象を語った。
番組では、日刊ゲンダイの読書コラムを紹介。マレーシア在住のライターによる「日本人は『やめる練習』がたりてない」(野本響子/集英社新書)から、マレーシアは子どものときから常に自分で選択するよう育てられ、学校も会社も嫌になったらすぐやめる、という国民性を伝えていた。(文:okei)
「ずっと”ちゃんとしてなきゃいけない”という状況が、ちょっと異常だなと思う、日本って」
記事でこの本を紹介した経営学者の太田肇さんは、いじめや働き過ぎ、ストレスによるうつや過労死などの社会問題は、”やめられない”という生真面目さが関係していると分析。学校や職場で我慢や成功体験ばかり教えているが、やめる勇気や失敗体験にも目を向けるべきと提起している。
これについてマツコさんは、「ほんとこれ」と同意し、
「自分の学校生活を振り返った時にさ、ほぼ刑務所だったのね、印象としては。あんまりそんないい思い出は(無い)。別に悪い思い出もないんだけど」
「ずっと”ちゃんとしてなきゃいけない”という状況が、ちょっと異常だなと思うのよ日本って」
と指摘。さらに「別に学級崩壊みたいになれとは言わないけど、もうちょっと私語をするとか、きのこの山ぐらいつまむとかさ、そのくらいの安心感のもと授業をやっても(いい)」と考えを語った。
マツコさんが学校に通っていたころは、授業中は常に静かで、子どもたちには厳しく規律が求められていたようだ。
「いじめられている子とか、まさしくそうだけど、ああいう風土の中では”逃げることが悪”みたいな感じになっちゃう。でもホント、いじめられたら、とっととそんな学校捨ててやりゃあいいと思う」
と、語気を強めて逃げることを肯定した。
未成年者の自殺者数は、1年間で568人、20代では2274人
しかし、マツコさんは少し考えてから、「でも、ちょっとずつ変わってきたのかな?」と疑問を口にした。株式トレーダーの若林史江さんは、「今は一方的ではない授業に変わってきている。社会も終身雇用が変わりつつあるし、転職したほうがスキルアップできる」という状況を説明。「それはそれで弊害はあるけど、変わってきてるのは事実」と言うと、マツコさんは、
「そこはちゃんとバランスとらないと、気に入らないからすぐ辞める!っていう癖つけちゃうと、それはそれでね」
と懸念を示していた。
マツコさんは、「どっちかだ、って言われたら、どっちがいい?バランス関係無しに、気に入らなかったらすぐにやめる国か、何があっても耐え続ける国か。極論よ?」と若林さんに問いかけ、自身でも決めかねているようだった。
最終的には「逃げた方がいいじゃん?」としていたが、そんなマツコさんですら、簡単にやめる事には100%賛同できないのだ。いかに日本人は”忍耐”が美徳とされてきたかがよく分かる。簡単にやめられないのは、やはり国民性だろうか。
警察庁が発表している未成年者(19歳まで)の自殺者数は2018年の1年間で568人、20代では2274人にも上る。原因は個々に異なるだろうが、若い世代がこんなにも自ら命を絶っているかと思うとやり切れない。単純に「嫌になったらすぐに逃げろ」と言えないのも分かるが、うまく逃げたりスルーしたりする術や心構えは、若いうちから身につけていたほうがいいだろう。