ヤフオク上でのマスクの個人出品が全面禁止されたのを受け、同サイト上で不可解な事態が起きている。これまでマスクを出品していた転売屋が「ホッチキス針」「水性ペン」など別の商品を出品。一見問題なさそうに見えるが、実は客とマスクの裏取引をしているというのだ。
3月11日に1万円という不自然な価格で出品された「ホッチキス替え芯」。出品者は19時時点で9件の質問に答えており、「マスク購入の手続きを教えてください」という質問に対し、出品者は
「ペン黒を落札ください」
と自身が出品している別の商品に誘導していた。この出品者は過去にマスクを大量に出品していた。ヤフオク運営の目を盗んで在庫を捌こうとしている可能性が高い。
「在庫は40000枚以上あります」
誘導先の質問欄で、再び「これ入札するとマスクが買えるんですか?」と聞かれた出品者は「落札後のやり取りで相談致します」と回答している。
このほかにも、出品者に寄せられた「1万円で50枚入り何箱ですか?」という質問に対して「三箱ですね。只、こちら在庫かなりあるので、もう少し最低数量を上げたいです」と回答。購入可能な枚数を聞く質問者に対しては「在庫は40000枚以上あります」と答えている。とてもホッチキスの話とは思えない。
さらに、勤務先の老人ホームのマスクが底を尽きそうという質問者に対しては
「協力致します。 新しく専用出品しましたのでそちらに入札ください」
と善人ぶる始末だ。
ヤフオクの利用者が出品物を「マスク」と気付くのは難しく、出品者は別のサイトから購入希望者を誘導していると思われる。だが、1万円で購入したものの、本当にホッチキスの針だけ送られてくる可能性もあり、詐欺に遭うリスクも拭いきれない。