普通に仕事をしていても、ふとした瞬間に退職を考える人は少なくないはずだ。キャリコネニュース読者からは、
「上司は常に『お金がない』と愚痴をこぼす人だった。そこに夢がないと感じた時、辞めようと思った」(20代男性、管理・事務職)
といった声が寄せられている。今回は3人の頭によぎった退職エピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「だんだん自己否定をすることしか書けなくなるも、何とか埋めました」
技術職の40代男性は、上司から受けた嫌がらせが退職の引き金となった。それは、男性の業務量が増えたと同時に仕事にも支障をきたし、ミスが重なったときのことだ。
「上長に会議室に呼ばれ、『A4の紙いっぱいに自分のダメなところを書いて埋めろ』と言われました。書いているうちに、だんだん自己否定をすることしか書けなくなるも、何とか埋めました」
無理やり書いたため、精神的に追いやられたという。それも祟ってか、帰路を運転中に崖から転落しそうになってしまった。男性は「その時のことは覚えていない」という。
書いた内容についても「上長が他の社員と回し読みをして馬鹿にしていたそうです」と綴っている。「出社するための電車がないと旨を伝えると『車で来い』と言われました」
かつて福祉業界で所長を務めていた40代男性は、経営者の言動が原因で退職を決意した。当時は日勤専属の契約社員として、9~17時半で勤務するスタイルだった。しかし経営者は男性に、「休日の深夜12時に、職場に神社のお札を貼りに行け」と強要したという。
「出社するための電車がないと旨を伝えると『車で来い』と言われました。コインパーキングの使用や駐車料金の請求を聞くと『路上駐車しろ』とのことでした」
無給だったこともあり億劫に感じた男性は、指定日ではなく、休みの前日にお札を貼っておいたという。すると、
「経営者は、すでにお札が貼ってあったことを別の従業員から確認し激怒。しかも『雇用契約の延長はない』と宣告されました」
男性は間髪入れずに転職活動を進め、結果的に自分のほうから退職を切り出したという。経営者はコンプライアンス違反なども押し付けていたため「見切って正解でした」と綴っている。
「片道2時間半の遠距離通勤を頑張りましたが……」
技術職の50代男性は、採用通知書に記載された内容が保護にされ、退職の原因となった。そこには、「入社後、一年間の勤務成績・評価、適性に応じて、マネージャーへの登用を前提にしております」と書かれていたという。
「遠距離通勤ではあったもののマネージャーになれば給与も上がり、単身赴任も可能になると思い、一年間頑張りました。でもマネージャーにはなれませんでした……」
一年後、男性は自分に対する現在までの評価を人事部に問い合わせたという。すると、
「『そのような話は聞いていない』と言われました。自分の直属の上司に尋ねてみても、『えっそんな話あったの? そのための評価なんかしてないよ!」と言われる始末でした」
男性は、「この一年間、片道2時間半の遠距離通勤はなんだったんだろうと、目の前が真っ暗になりました」と肩を落としている。
※キャリコネニュースでは引き続き「会社を辞めようと思った瞬間」や【新型コロナ】ドラッグストア・スーパーで働いている人の声募集に関するアンケートを募集しています。