医師のともは3月24日、医師を対象に実施した「新型コロナウイルスがもたらす東京五輪への影響」の結果を発表した。調査は今年3月に実施し、20~90代の医師1096人から回答を得た。
新型コロナウイルスの影響により、「東京五輪の開催を延期させた方がいい」と回答した人は74.8%。「延期しなくてもいい」は10.6%に留まり、「わからない」が14.6%となった。
「経済への影響を恐れて強行すれば日本はパンデミックの源に」
延期した方がいいと回答した人からは、「収束するか予測不能のため」など新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する声が多く寄せられた。
「日本国内が落ち着いていても、再度諸外国から感染者が入国することによる感染拡大も考えられるため」
「人の行き来を制限するべき時期に、無理な開催をするべきではない」
「経済に影響があることを恐れて五輪を強行すれば、海外からの感染者流入につながり、日本がパンデミックの源になる」
また、「新型コロナウイルスと熱中症と他の外来感染症を扱うのは到底無理である」「治療法の検証・研究および、医療資源確保の目処がついてからの開催が望ましい」など、医療対応の混乱を懸念する声や、
「選手の練習環境も悪化している中で、ベストコンディションではできないと考える」
「参加できない選手や国が出てくるなど、明らかに通常のオリンピックとは異なるため」
「不安な中で演るより、晴れ晴れとした中での競技が見たい」
など、参加できない選手が出たり、モチベーションが低下したりすることを懸念する人も見られた。他にも「このまま開催しても、十分な経済効果が得られないため」といった声も寄せられている。
「日本が感染対策のモデルを示すチャンスと考えるべき」の声も
一方、延期しなくてもいいという人からは、「延期にした場合の経済的ダメージが大きすぎるため」「新型コロナウイルスの感染者よりも、経済が回らなくなることでの失業者や自殺者が増えそうだから」などと延期による経済的損失を懸念する声が多く寄せられた。他にも、
「鎮静化が予想されるから」
「感染対策を強化して、出来る範囲で実施すればよい」
「日本が感染対策のモデルを示すチャンスと考えるべき」
といった声や、「選手や関係者の気持ちを考えると、延期や中止という選択肢はあり得ない」「チケット代が返ってこなければ、国民の中でのオリンピック誘致の意欲がなくなる」などの声が寄せられた。
また「わからない」という人からは、「どちらにしても、メリット・デメリットがあるため、何を優先するかによるのでは」「延期による経済的損失と、感染拡大防止のバランスがわからない」という声があがっていた。