ブラック企業で理不尽な扱いを受けたり、法外な労働を強要されたりしている人は多い。中には“謎ルール”としか思えない決まりが横行している職場もある。キャリコネニュース読者からも、
「2週間ある社外研修で10日目から参加の上、動かないノートPCを渡された。補助金を目的とする研修だったようで、上司からは『ハンコだけはもらって来い』と言われた」(30代男性、ITエンジニア)
「勤務が9時~翌朝4時まで。休憩は食事休憩が一度、トイレ休憩も一度だけ」(30代男性、技術職)
といった経験談が寄せられている。また新型コロナウイルス関連でいえば、
「コロナに感染したら職場が営業停止になることから『なんらかのペナルティを与える』と言われた。きっと給料カットなのだと思う……」(30代女性、サービス・販売職)
といった投稿もあった。今回は縁故採用された職場で苦しむ、事務・管理職の50代女性のエピソードを紹介する。(文:鹿賀大資)
「昼休みや15時の休憩をとると定時では帰れないので無休憩勤務」
女性は長年勤めた前職を辞め、社長と社員2人の計3人の零細企業に勤めている。親友である社長から数年がかりで「親の会社を継いだので手伝ってほしい」と説得された末の転職だった。
「『うちは残業ないから残業代も出ない』と聞かされていました。しかし実際は毎月50時間以上の残業があります。もちろん残業代は出ません。タイムカードがなく、残業しても業務日誌に『定時で帰ったように書いて』と言われています」
必然的に残業が発生する理由は業務内容にあった。
「掃除、お茶だし、営業事務、梱包、発送、そして経理まで、すべてが私の仕事です。さほど忙しくない日でも、昼休みや15時の休憩をとると定時では帰れません。そのため毎日、無休憩で仕事をしています」
「社長と上司が経費を公私混同で使いまくるので赤字です」
定時で帰れる日はよくて週1日。社長が夕方から仕事を追加するため、大半が残業になるという。それでいて上司は1分たりとも残業をしない。そんな2人について、
「社長はだいたい昼前か午後から出社します。上司も毎日、必ず10分ほど遅刻してきます。社長と上司が経費を公私混同で使いまくるので赤字です。そのためボーナスもありません。業績がよくなれば還元するとのことですが、ここ数年、出ていません」
さらに、「体調不良でも『38度を超えたら休んでいい』と言う社長です。インフルエンザの際には1日だけしか休めず、あとは熱があっても出勤するように言われました。有給休暇もありません」とこぼしている。