世帯年収の中央値は、ふたり親世帯で665 万円、母子家庭で250万円だった(労働政策研究・研修機構の「子どものいる世帯の生活状況および保護者の就業に関する調査2018」より)。
母子家庭の大変さは数字からも明らかだが、一方でこの調査では「母子世帯の内部格差が広がっている」と指摘されている。実際、一人でふたり世帯の中央値以上を稼ぐ女性の声が、キャリコネニュース編集部にも届いている。(文:林加奈)
※キャリコネニュースでは世帯年収に関するアンケートを実施しています。回答はこちらから。https://questant.jp/q/6FE3D7NZ
「所得制限に引っかかりそう」
小6の子どもを育てている40代女性(京都府/その他)は年収700万円。子どもは中学受験を控えている。
「寡婦控除がなくなり、住民税が跳ね上がり、現状はそれなりに厳しいと感じています。平均以上の所得を得られているので、ひとり親家庭向けの福祉すべてを受けられるとは思っていませんが、この先高校の学費なども所得制限に引っかかりそうですし、かなり考えて節約しています」
「ひとり親控除」は年収500万円が限度となっている。教育費負担が重くなるのは、まだこれから。いろいろと考えるところが多そうだ。
「養育費不払い」で……
福島県に住む40代女性(金融・保険系)は年収1000万円ある。10年前に離婚し、シングルマザーになった。
「当時は年収700万円ほどで小学生の女の子2人の子育てをしながらの生活は大変でした。別れた夫は仕事を辞め、お金がないから養育費は払えないの一言。離婚時の約束は守られなくてどうすることもできませんでした」
「養育費不払い」は離婚父母の8割近くに及んだことから社会問題化。2020年に養育費が回収しやすくなる、改正民事執行法が施行された。
しかし女性のケースはそれ以前。結局、実家の助けを借りながら仕事を頑張り、昇進したことでこれだけの収入を得られるようになったという。「年収が上がってしまったため、授業料無償化や各種支援金の恩恵を全く受けていません」と女性。現在、2人の子どもは大学、高校に進学し「成長した娘たちとの時間が何よりの癒しとなり頑張れています」と綴っている。
※アンケート概要
■実施期間
2020年10月26日~
■回答数
1911※8月18日時点
(記事では、8月14日に寄せられた投稿を紹介)
■アンケート対象
キャリコネメルマガ会員(63万人)やキャリコネニュース読者、キャリコネニュースSNSフォロワー
■実施方法
アンケート集計ツール「クエスタント」を使用
回答ページ https://questant.jp/q/6FE3D7NZ
■質問項目
・現在の世帯年収でどのような生活を送っていますか? 満足している点、不満な点、エピソードを教えてください。