女性はさらりと「家族とは絶縁しているため、将来の介護の心配もない」としたうえで、家計事情をこう明かす。

「月々つみたてNISAとiDeCoで月4万は運用に。副業で個人事業主をしている。儲けは20万程度だが、青色申告のため節税の恩恵が大きい。少ないがふるさと納税もできる。職場の給料は月々引かれる源泉徴収は大きいが、概ね還付されるので先取り貯蓄感覚」

個人事業主の青色申告は最大で65万円の控除になる。女性は自分でしっかり確定申告をしてメリットを享受しているようだ。仕事は「年度任用の職員たちもサービス残業が当たり前の職場」だが、女性は「定時きっかりで退勤し、有給も臆せずきっちりもらう」と労働条件も譲らない。

そのほか、節約の工夫や楽しみを次のように挙げた。

「スマホは格安SIM（楽天＋mineo）で1300円。賃貸だが入居検討時から大家と仲良くして、家賃を少し下げてもらい、駅近オール電化の30平米で4万2500円。猫も１匹飼わせてもらっている」

「エレベーターのない４階というのが欠点だが、丘の上のため眺望は最高。ネットスーパーを（週一で）使うため階段も苦にならない。通勤電車内などで数日かけて（ネットスーパーの）買い物カゴを整えられるので、必要なものを必要なだけ、冷静に買い物ができ、結果、節約と時短と労力の削減に役立っている」

「ドラム式洗濯乾燥機とロボット掃除機と食器洗い乾燥機を使っているため、家事に煩わされず、時間は副業をしてもゆったりしていられる。楽天経済圏生活（編注：楽天グループのサービスをフル活用してポイントを貯める生活）。毎年10万ほど恩恵を受けている」

便利な生活家電やポイント生活でお金も時間も有効活用できている様子だ。「特にお金を使うこともないので、最近猫のための毎月の貯金を5000円上乗せしはじめた」とも付け加えた。

職場の実家暮らし独身40代の同僚たちにはドン引き

収入を最大限に生かすことに注力している女性は、周囲の人たちのゆるい姿勢には厳しい目を向けていた。

「職場の同じ採用枠の人たちはみな実家暮らしの独身40代で、ここの給料では生きていけないと言うが、聞けば一人暮らしもしたことがなく、家政も親まかせ。税金のことや資産運用のこと、年金の金額や行政で受けれるサービスのことなど、驚くほど無知な人ばかりで内心どん引いている」

として、「これから親御さんに介護が必要になったり、急に亡くなられた際、生きていけるのか不安だが、好きでその生活を選んで今まで生きてきたのだからしょうがないと思う」と突き放していた。