年収850万円の男性、不登校の中学時代を経て「どうしても行きたい国立大学」に現役合格した経緯を語る
高校受験では当然、もともと行きたかった高校には行けなかった。
「大学進学を狙うには結構ギリギリの普通科にどうにか入学できました。とても悔しかったのと、『もう大学進学とか無理なんじゃないか?』と半分諦めていたのをよく覚えています」
この高校へは同じ中学から数人が進学しており、「中学の頃の話とかされたら嫌だな」と、不安しかなかったそう。 凄まじい不安を抱え、「高校の入学式前日は一睡もできませんでした」と打ち明ける。
一人寂しく入学式へ向かい、中学の同級生たちとは違うクラスだったことに安堵したものの、今度は「周り誰も知らないんだな。友達なんて出来ないだろうな。早く帰りたい」とマイナス思考が止まらなかった。ところが、教室に入ると「不安が一気になくなりました」という。
「私の後ろの席に物凄い陽キャが居て、突然話しかけてきてくれました。彼が非常に面白く不思議と人を惹きつけるタイプで、私は戸惑いながらも直ぐに周りと打ち解けることが出来て多くの友達が出来ました」
いつの間にか不安は消え去ったと言い、前向きなスタートとなった。しばらくしてクラス担任が入って来て、自己紹介のあと、こんな事を熱く語ったという。
「大学進学を目指している者の中には、こんな高校に来てしまった事を悲観している者も少なからず居ると思う。もう碌な大学には進学できないんじゃないか?って。でも今から基礎をしっかり固めれば現役で国立大学に行けるぞ!」
高校の入学初日には、第一志望に落ちた不満を抱える生徒がクラスに何人かはいるものだ。それを十分理解した上での励ましだろう。これを聞いて、男性は奮起した。
「私は『これって俺に言ってんのかな?』と錯覚し、この担任の言うことを信じてみる事にしました。前述の通り中学時代の基礎すらままならない為、かなり辛かったのをよく覚えています」
「やったな!おめでとう!お前ならこの先何処ででも通用する!」
高校三年生になると、「どうしても行きたい」という志望校が決まった。
「国立大学で、模試の判定も芳しくなかったのですが何が何でも行きたかったので受験することにしました。そして見事合格することが出来ました」
一年の頃の担任とは二年生以降は関わることが無かったが、「(担任の言葉を)信じて頑張ってきてよかった」と思ったそう。すると卒業式の日に、一年の頃の担任に話しかけられた。
「生徒とは一定の距離を保っていてあまり先生から話しかけるようなタイプではないのでちょっと驚きました。先生は『やったな!おめでとう!お前ならこの先何処ででも通用する!この調子で頑張れ!』と非常に暖かく、とても有難いお言葉をいただきました」
まさに恩師と呼べる先生との出会いだったわけだが、幸運はそれだけではないという。
「一年の頃私の後ろの席にいた陽キャとは今でも親友です。彼に出会えなかったら、そもそも担任の話も耳に入ってこなかったし、担任を信じてみようとは思えなかったと思います」
また、同じ中学から進学した同級生は、「私が中学の頃の話を誰にも言わないで居てくれたようです」と振り返る。満足そうに、こう締めくくった。
「どうやって受験を切り抜けたか?とかそういった趣旨の体験談ではないですが、私の場合、周囲の環境に恵まれた事により受験に成功できたんだと思います」
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