「保育士は誰でもできる仕事」とツイートした堀江貴文氏が数年前に炎上していたのは記憶に新しい。だが実際、保育士は”誰でもできる仕事”とはとても言い難い。掲示板ミクルに10月上旬、保育士として働く投稿者から悲痛の叫びが寄せられた。
投稿者は6時半から21時まで保育園で働き、帰宅後や休日も作業に追われるにもかかわらず、残業代は一切出ずに手取りは13万円ほど。さらに、行事のために作り物を頑張っても、子どもに壊されたり、行事後に褒められるのはいつも子どもばかりと、自身の仕事が報われない現状に「この仕事が馬鹿らしくなりました」とつらい胸中を綴った。(文:石川祐介)
「もっと高給にするべきだと常々思っていました」
コメント欄にあふれたのは、保育士の待遇改善を訴える声だ。
「友達も月給13万円と昔言っていて驚きました。命を預かるお仕事なのに本当に給料が安すぎますよね」
「いつも見てて大変そうな仕事だな。命を預かってくれているのに他の行事や延長保育まで、、この仕事はもっと高給にするべきだと常々思っていました」
保育士は、子どもの命を預かる責任重大な仕事だ。それだけに「もっと高給にするべき」という声は最もらしいと思える。
「転職ですね。給料低すぎ。ブラック。そこはやめたほうがいいです」
「同年代かわかりませんが私は手取り28万くらいで、基本8~17時。早く終われる日は15時くらいには家にいます。自分の時間も遊ぶ時間も十分にあります。保育士に拘らないのであればいい仕事は色々ありますよ」
転職を勧める人も多い。保育士を辞めることを勧める声もみられたが、子どもが好きで保育士の仕事にやりがいを感じる人だっているだろう。また、職種を変え、未経験から新しい仕事をするのは相応のエネルギーも必要になる。
保育士としてまだ働き続けるのであれば、他の保育園の労働環境をチェックしてみるのも一つかもしれない。
「本当頭の下がる思いです」と労いの言葉も
一方、保育士に対して感謝の言葉を述べるとともに、投稿者をねぎらう人もいる。
「お疲れさまです。主さんの投稿を見て、昔子どもがお世話になった保育園、保育士さんにお手紙を書こうと思いました」
「いつも子どもたちを見てくれていてありがとうございます。私も幼稚園児と0歳児がいる母なので、先生方の苦労や大変さは氷山の一角にすぎませんがわかるので本当頭の下がる思いです」
とはいえ、激務である上に薄給の現状が投稿者を苦しめているのであり、どれだけ労をねぎらっても根本的な解決にはならない。
政府は保育士の労働環境を改善するため、給与の約1%(月額約3千円)の改善、技能や経験に応じた月額5000~4万円の給与改善、ICTの活用による業務削減といった施策を打ち出しているが、正直どれもパッとしない。
保育園、保育士は大切なインフラであるため、前衛的な待遇改善を急ぐべきだろう。