エン・ジャパンは2月24日、「2021年4月に中小企業に施行される同一労働同一賃金法」に関する調査結果を発表した。調査は2020年12月~21年1月にネット上で実施し、『人事のミカタ』を利用する中小企業150社から回答を得た。
21年4月から中小企業を対象に施行される「同一労働同一賃金法」。認知度は「内容も含めて知っている」(44%)、「概要だけ知っている」(55%)と合わせて99%が何かしらを知っているようだった。
「基準が曖昧だし、判例も曖昧で判断が難しい」
一方、対応状況については「既に必要な対応が完了」と回答した企業が28%にとどまる。以降は「現在取り組んでいる最中」(20%)、「対応が決まり、これから取り組む予定」(3%)などと続いた。
回答者に難しいと思う点について聞くと、最多は「待遇差がある場合、『不合理であるかどうかの判断』」「同一労働同一賃金に対応した場合の『人件費の増加』」(各23%)だった。次いで「正社員と有期雇用社員の『待遇差の理由の確認』」(19%)が続く。
同一労働同一賃金に関する悩み、意見を聞くと、
「優秀な社員のモチベーションやパフォーマンスが落ちることを懸念している」(商社/30~49人)
「長期で働いてくれるかどうかわからない人と、長期で働く前提の正社員を同一として扱わなくても良いと思う」(IT・情報処理・インターネット関連/30~49人)
「ガイドラインも基準が曖昧だし、判例も曖昧で判断が難しい」(メーカー/50~99人)
といった声が寄せられた。
また、対応を決めた(対応予定を含む)賃金・待遇について聞くと、目立ったのは「基本給」(28%)、「賞与」(27%)だった。一方で「設備」(休憩室:9%、更衣室:9%、給食施設(食堂):8%)、「社宅の貸与」(1%)などは少なく、設備や福利厚生よりも給与面、休暇の差をなくそうとする動きがみられた。