10分の検査で採用のミスマッチを防止 適性検査クラウド「ミキワメ」の底力 | キャリコネニュース - Page 2
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10分の検査で採用のミスマッチを防止 適性検査クラウド「ミキワメ」の底力

――ミキワメはどのような適性検査なのでしょうか。

佐藤:入社後のパフォーマンスは、必要なスキルを持っているかに加えて、組織の考え方と性格がマッチしているか等にも影響を受けます。候補者のスキルについては履歴書や面接でも比較的わかりやすいですが、性格が自社に合うかどうかを判断するのは難しいですよね。ミキワメはそこにフォーカスし、入社後のパフォーマンスを判定する適性検査です。

従来型の適性検査には、内容が盛りだくさんなだけに、自社と候補者が合うかどうかわかりづらいという課題がありました。しかしミキワメでは、自社の分析を実施し、採用したいペルソナ像を設定することで、そことのマッチ度を判定します。私は元の性格検査を開発しましたが、そのデータを応用してリーディングマーク社でマッチ度が判定できるシステムが設計されています。私は臨床心理学の専門家として、元の性格検査の解釈や組織分析、判定結果の活用方法などを中心にお客様の組織開発支援をさせていただいています。

ミキワメでは「社風」「安定度」「部署・チーム」という3要素から自社への適性を判定する

――どのような企業が利用しているのでしょうか。

佐藤:日系の大手企業から新興のベンチャー企業まで、幅広いお客様を支援しています。割合でいうと、大手企業3割、新興企業3割、100名から500名程度の中規模企業4割です。

大手のお客様では受検者が多いぶん、スクリーニングに使われる傾向があります。より規模の小さなお客様では、面接での質問の目線合わせや判断の精度を上げたり、自社に合う人を見つけたりするために使われています。

採用したい人物像をデータに基づいて定量化

――ミキワメの導入で得られる効果は?

佐藤:多くのお客様には、採用したい人物像が定量化できておらず、感覚に基づいて面接をしているという課題があります。しかしミキワメを使えば、どういう性格の人を採用するかというペルソナ定義がデータを基に行えます。ペルソナ定義がうまくいき、それに合致する候補者が採用できれば、ミスマッチによる離職の低減にも繋がります。

――候補者が各企業に合うかどうかは、どのようにして判定するのですか。

佐藤:各社で判定基準を作り、候補者がそれにどれくらい合致しているかで判断します。まず、社員の方に適性検査を受けてもらいます。この結果から、社内にどのような人材がいて、どのような人材が活躍しやすいのか、あるいはミスマッチになりやすいのかを数値で表現します。こうして得たデータをもとに、「いまは自社にいないタイプを採りたい」「新規事業の立ち上げに適したタイプを採りたい」といったお客様のご要望を伺いながら、専門家チームの知見も参考にしていただいて基準を設定していきます。その上で、検査を受検いただいた候補者のマッチ度や面接で確認すべきことがわかるという流れです。

――従来の適性検査とはどのような部分が異なりますか。

佐藤:検査時間が10分と圧倒的に短いです。従来の検査は60分や120分など長時間かかるものも多く、受検者の負担が大きい側面がありました。負担が大きいと疲労や集中力低下の影響で結果の妥当性が下がってしまう問題があるため、ミキワメではそこを軽減するように開発しています。

もう一つ、受検結果の詳細な個人帳票を候補者自身にも公開することを大切にしています。就職活動でこうした検査を受けるとなると、どうしてもみんなよく見られようとするんですね。検査を開発する際は、そこへの対策が必須事項なのですが、加えて結果を候補者に公開し、自己分析に使ってもらえるよう啓発しています。正直に答えれば、自分自身はどのような性格で、どのような会社が合っているかのヒントに使えるわけです。

さらに、サポートも手厚くなっています。適性検査を十分に活用しようとすると、一般に検査の正しい理解や解釈、場合によっては専門知識も必要になってきます。しかし多くの場合、そうしたサポートを受けようとすると、まとまった金額が別途かかってきます。その点、ミキワメは追加料金なくご利用いただけます。

ミキワメでは人の性格やメンタル状況を27の特性で可視化する。上は性格の一例

社会心理学や性格理論、採用実務の実践経験をベースに開発

――料金体系はどうなっているのでしょう。

佐藤:年間システム利用料と社員分析や使い方のサポート料を合わせて30万円で、候補者は1受検500円と最安クラスな上に、社員受検は何度受けても無料です。1人採用するにも、それなりのコストが発生しますが、そのミスマッチを防ぐだけでも元がとれるような金額感ではあると考えています。

――ミキワメの適性検査には、どのような裏付けがあるのでしょうか。

佐藤:ミキワメは、採用実務の経験と、学問的な裏付けに基づいて開発しています。開発担当は、リクルートで採用責任者を長年務めた曽和利光さんと私です。2015年の開発スタート当初、私は京都大学大学院で臨床心理士としてカウンセリング面接の実践や心理学的な研究をしていました。

ミキワメのコンセプトは「採用担当者が面接の時に知りたい要素を測定できる検査」です。採用担当者が面接時に知りたい「主体性」「コミュニケーション能力」「ストレス耐性」「バイタリティ」といった要素を洗い出し、そうした概念を様々な心理学的な理論で定義して、測定の方向性を決めました。

ベースとしたのは「社会心理学」という集団や人間関係の心理学や、性格(パーソナリティ)に関する心理学です。測定対象となる性格は、時間経過で変化しづらいとされるものを多く用いています。また、各要素の偏差値が60以上だったり40以下だったりと特徴的な場合、その人の個性として捉えられ、短期間で真反対の方向に振れることはそれほどないものと考えられています。

設計にあたっては、倫理的な部分にも配慮しました。こうした検査では、やろうと思えば抑うつ傾向や人格障害傾向のようにセンシティブな傾向の測定も可能です。しかし、検査結果は性格理論に詳しくない方の目にも触れるものであり、そうした結果が個人の性格に関するレッテル張りや不適切な解釈につながってしまったり、利用企業様の組織の中で問題のある方向付けに用いられたりすることが懸念されるため、測定しておりません。

ミキワメ開発者・佐藤さん

――ミキワメでは基本の分析以外にも、各企業に合わせたサポートをしているそうですね。具体的にはどのようなことを?

佐藤:たとえば退職者の分析ですね。1年の間に、社風とのミスマッチが原因で辞めてしまった方が複数いたとします。退職者にとってはよりよいキャリアのためにむしろ必要な転職であるわけですが、企業にとっては痛手になりますね。どんな性格がミスマッチにつながりやすいのかを検証し、基準のアップデートを推奨します。

また、判定基準を現在よりも細かく設定したい場合には、最終面接まで進んだ方がどのような性格傾向かを精査して、スクリーニングで落とさないように調整します。

データが溜まってくると、また異なる分析が可能です。入社から3年後に活躍している方が入社時にどんな得点だったかを利用すれば、新たな候補者の活躍可能性が予測できます。

上記のように様々なデータ分析に基づく判断を支援していますが、性格データはあくまで人の一部を表現するものなので、レッテル貼りや偏見につながらないよう、検査結果データに基づく解釈や判断の過程は十分慎重に実施いただけるようなサポートを心がけています。

――ミキワメでは今後、どのようなサービスを提供していく予定ですか。

佐藤:ミキワメを採用だけでなく、入社後のオンボーディングや配属配置の検討に使うお客様も多くなっているので、今後はそういったシステムを拡充していく予定です。

基本に立ち戻ると、私たちが目指すのは、候補者も企業もうまく就職活動が進められる世界です。就職活動市場では、候補者が大企業に入社できる確率は1%程度だとされています。つまり、100社受けて、やっと1社受かる状態です。企業側は採用基準がはっきりせず、候補者側もどのような企業を受けるか曖昧。こういう非効率な部分が就職活動市場に蔓延しているのは問題だと私たちは思います。候補者も企業もうまく活動が進められ、一人ひとりが自己実現できるWin-Winな検査を目指して、今後も支援していきたいと考えています。

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