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「今休まないでいつ休むのか!」 日本初の休学者向けサービス「Qコン」が説明会開催

「休んでる場合ですよ」――。休学中の学生を対象にした「日本初」の休学コンサルティングサービス「Qコン」の説明会が6月2日、都内で開催された。

Qコンは、休学だけでつながった友だち「キュフレ」が集まって、ともに「文化的な休み」を模索するというサービス。都内の5階建てオフィスビルを貸し切り、参加者に無料解放する。「NEET株式会社」などで知られる慶応義塾大学特任助教の若新雄純氏が企画。海外留学のサポートや人材紹介事業などを行うNEXT IMPACT社が運営する。

若新氏「休学してない人はモテない社会になればいい」

自分用の図書館を作るためにビルを借りた川本恵太氏(右)に対し、「嫉妬心しかない」と語る若新雄純氏

自分用の図書館を作るためにビルを借りた川本恵太氏(右)に対し、「嫉妬心しかない」と語る若新雄純氏

この日集まった学生は約30人。男女比は半々だ。MARCHを中心とした都内私大生の他、地方国立大生や美大生もいる。実際に休学中という学生は3分の1で、残りは休学を希望したり興味があるという学生たちだ。学年でいうと、2~3年生が多い。

若新氏が冒頭で企画の経緯を説明。そもそものきっかけは、NEXT IMPACT社の川本恵太代表が自分用の図書館にするためにオフィスビルを借りたことにあるという。

しかし、そのビルが広すぎた。川本氏から「使い道がない」という相談を受けた若新氏が、ビルを使って若者を集めたコミュニティを作ることを提案。当初「売れないミュージシャンを集めてクラウドファウンディングで支援する」という案もあったというが、最終的に従来にない休学者向けのサービスになった。

これまでも「ゆるい就職」などで、将来を模索するためのモラトリアム期間の延長を提唱してきた若新氏は、休学についてもこう語る。

「イギリスでは大学を出た後、しばらくはインターンや海外旅行に行ったりするギャップイヤーという習慣があって、逆にストレートで就職するのはイケてないという風潮がある。日本も休学をしてない人はモテない社会になればいい」

「休学しながら自分の適応できる場所を見つけたい」

参加者同士で議論を行った。

参加者同士で議論を行った。

参加者は5~6人ごとのグループに分かれ、「なぜ休むのか」というテーマで議論。「大人は若い頃にあれをやっておけばよかった、というけど、それをやるのが今」と決意を表明する女子大生もいた。

「就職するとお金はあるけど時間がなくなってしまう。休学なら大学生というポジションを維持しながら好きなことをすることができる。今休まなくて、いつ休むのか」

栃木からやってきた大学4年の男子学生は、「自分は嘘が嫌い。純粋なものが好きなんです」と語る。現在休学をして家で読書をする毎日だといい、大学を休んでいる間は「社会への違和感を追求していきたい」という。

「世の中は嘘に満ち溢れています。就活にしても仕事にしても、人間の不純な側面に少しでも触れるともう嫌になってしまう。そんな自分でも適応できる場所を探したい」

同じく、現在休学中だという地方国立大学4年の男子学生も「工学部なので研究室経由でゼネコンとかに就職しようと思えばできるけど、それじゃ絶対つまらない。自分が熱中できるものを探したい」と話していた。

参加者に海外留学やインターン先も紹介

「Qコン」公式HP

「Qコン」公式HP

同サービスでは、「溜まり場」となるビルの使い方など、多くを参加者に委ねている。後半、コミュニティを使って今後何をしたいか話し合うと、参加者からは「ゲーム大会をしたい」「カフェを開きたい」といったアイディアが出ていた。

Qコンでは今後、6月16日にキックオフイベントを開催。そこで参加者とともに活動方針を決めていく。あわせて参加者には、海外留学やインターン先の紹介などもしていくといい、そこからビジネスに繋げていきたい考えだ。

若新氏はイベント終了後、キャリコネニュースの取材に対し、「みんな積極的で、雰囲気が凄く良かった。休学中の人よりも休学したい、という人が多いのも印象的でした」と語っていた。

「やっぱりモラトリアムは積極的にとった方がいい。別にただ遊ぶだけでも全然よくて、無目的に好奇心の赴くままに活動することで見つかることもあります。しかし、いざ休学しようとすると、周囲の理解もなく不安になるものです。そういう人が集まって協力し合いながら、何かをしていく場所にしていきたいですね」

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