男性は前職での中古車販売の実績を買われ、「買取ではなく通常の販売営業」として採用され、翌日から働き始めることに。
「1日のスタートは…内外の掃除を全員でして、ミーティング、ロープレをして交代制で外に立ち、お客様がいつ来店してもいいように寒い中外で待機でした。時間別にホワイトボードに自分の名前を貼り外に出るというルールでしたが、副店長、店長は5分すると店内へ」
男性はすぐに副店長の異変に気づいた。
「いざお客様が来ると、ある程度ふるいにかけて購入が濃厚なお客様がいると他の営業が接客していても横取りする始末。2日目にも入社間もない社員が接客し、ローンにて車両の購入が決まり、店内に入ろうとしたら、副店長が『君はまだローンの流れがわかってないから』と横取り。自分が辞めた店ではありえないことでした」
男性は前職で「ノルマが厳しい社員には自分が販売につなげたお客様を引き渡したりしていた」こともあり、「下の者が決めた販売を上が横取りするなんて恥ずかしいです」と主張。
「朝一のロープレでもローンの流れをわざと説明したり教えないで、ローン購入のお客様が来たら上がやるみたいな風土があり、3日目の朝、軽く事情を説明して辞めました」
契約に必要なローンの流れをあえて新入社員に教えないことで、上司の販売実績にしてしまうとは、なかなか狡猾な手段だ。辞めた後の感想を聞くと「辞めてよかったです。下にいる社員がかわいそうです」と安堵の気持ちとともに、会社に残っている社員を気遣っていた。