【#ドルキャリ】元NMB48が欧州でCM出演し、カーニバルで日本人初クイーンに!? 上枝恵美加さん | キャリコネニュース
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【#ドルキャリ】元NMB48が欧州でCM出演し、カーニバルで日本人初クイーンに!? 上枝恵美加さん

写真:本人提供

写真:本人提供

今や星の数ほどいるアイドルだが、卒業後のセカンドキャリアで苦労したという声は多い。そこで、さまざまな世界に転身を遂げた元アイドルに「アイドルとしてのキャリア(ドルキャリ)が異業種でも通用するのか?」を不定期で聞いていくのが当連載だ。今回話を聞いたのは元NMB48の上枝恵美加。現在はスペイン・バルセロナから南へ約80キロ、古代ローマの巨大な遺跡が残る港町タラゴナに住み、「グローバルな女優」になるためスペインで芸能活動を続けている。(取材・文:徳重龍徳)

NMB時代は仕事とアイドルの両立に苦労

現役時代の上枝さん 写真:本人提供

もともと高校で演技を学んでいた上枝が、自身の幅を広げるためにとアイドルのオーディションを受け始めたのは高校1年生の頃だった。2011年にNMB48の第3期生オーディションに合格し、アイドルとしての第一歩を踏み出す。

3期生は後にNMB48のチームB IIとなり、上枝はチームのキャプテンを務めるが苦労は多かったという。

「1つ上の2期生はオーディション番組もあったんですけど、私たち3期生はなく、プロデューサーの秋元康さんには『小粒だ』と言われて(笑)。ただ、当時のマネージャーさんが厳しいけれど、本当に3期生に力を入れてくれていて、キャプテンの私も『小粒と言われても、3期生の個性を作ってどうやったら生かしていけるやろ』とめちゃくちゃ考えてやっていました」

こうした努力もありB IIは徐々に人気を得ていくが、上枝個人としてはNMB48と学業の両立に苦労するようになる。授業に出られなくなったことから高校を辞め、通信制の学校へ切り替えた。

英語の勉強をしたいと短大に入学するも、毎週土曜日は東京などでの握手会の予定が必ず入っていたため、必要な授業に出られず、単位を取れない。

「平日も朝起きて、1限から3限の授業に出て、その後に劇場のリハーサル。公演が終わったらマネージャーさんとチームについて話し合いをして、ふらふらになって家に帰る。めちゃくちゃしんどかった記憶があります」

そんな頃、アイドルとして大きなチャンスをつかむ。2013年に開催された「AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会」で準優勝となったのだ。この結果、AKB48のシングルで選抜メンバーに選ばれたが、NMBに加えてシングルの活動も加わったことでさらに多忙となり、ついに短大へは丸々1年間行けず留年してしまう。

なんとか卒業したいと考えた上枝は、学業に専念するため、2015年4月から半年間NMBの活動を休業。しっかり単位を取るために勉強に励んだ。

一方、休業期間に取り組んだことがオーストラリアへのホームステイだ。実は上枝は高校時代にもオーストラリアにホームステイしていたが、自分の英語が全く通じず悔しい思いをしていた。休業中に、この時のリベンジを果たそうと思ったのだ。

「メインは留学ではなく大学に通うこと。空いた時間にホームステイをしました。学校での留学ではなく、高校時代にホームステイした方の家に自分で連絡して、もう一度ホームステイをお願いしました。行動力だけは昔からあるんですよ(笑)」

高校、短大と英語に一生懸命取り組んだ成果で、ホームステイ先では以前よりもずっとコミュニケーションが取れるようになっていた。またオーストラリアの友人も、NMB48の活動を知ってくれていて、それも嬉しかった。英語とアイドル、自分のやってきたことがすべて肯定された気がした。

卒業、そしてスペインへ

インタビューに答える上枝さん

2015年9月、半年の休業を終え、NMB48に復帰。学業との両立が少し楽になり、以前よりもアイドルの活動をリラックスしてできるようになった。グループ卒業を決めたのは2017年初頭。ただ当時はラジオのレギュラーもあり、卒業を決めてもすぐに実現するわけではなかった。

「今のNMB48のメンバーはすごく舞台に出ていますけど、当時はお芝居をするのは難しかった。だからNMB48を卒業をしたら、まずお芝居をしたいと思ってました。でも、お芝居を日本でずっとやることはどうかなとも思ってました。6年間アイドルとしてぎゅっと濃い生活をしていたし、自分の視野を広げるため、引き出しを増やすため、海外に行くことを決断しました」

当初はイギリスに行くことを考えたが、2017年3月にロンドンテロ事件があったことで、行き先はスペインに決めた。以前、旅行でスペインに1週間ほど滞在し、住みやすいと感じていたことも大きかった。

いつNMB48を卒業してもいいように、スペインの語学学校に連絡したりと、ビザを早めに準備した。2017年7月の卒業公演で「私にしか出来ない道を歩んでいきたい」と語った上枝は、卒業してから2か月もたたずスペインに渡った。異国の地で女優として活動する覚悟だった。

「日本の事務所に入れば、仕事はたぶん日本だけ。でもスペインの事務所であれば、ヨーロッパと繋がっているので、いろんな場所に行ける。それにスペインの事務所に入れば、日本人のライバルは少なくて、パイオニアになれる。人と違うことをしたいという思いがありました」

スペインの中でもバルセロナが好きだった上枝は、バルセロナに通えて友人もいたタラゴナに落ち着いた。語学学校で勉強をしつつ、バルセロナの芸能事務所に自分の資料を送った。するといくつかの事務所から所属OKと返事があった。

スペインで順調な一歩を踏み出した上枝だったが、ここで落とし穴があった。就労に必要な書類がないためスペインで働けないことがわかったのだ。

「スペインの事務所で、今のままでは働くことができないと言われて。慌てて申請をしたんですが、スペインでも日本でもいろいろと手続きが大変で、結局働けるようになるまで1年ぐらいかかりました」

順調なスタートが一転、完全にスペインで宙ぶらりんとなってしまった。事務所に入れず仕事をすることもできない。上枝の中に、NMBの時のように何か表現したいという思いが湧いてきた。

「でも、いきなりお芝居のレッスンに行ったとしても、言葉がわからない。じゃあ、何ができるかなと考えたときに、ダンスだったら言葉がなくても表現ができるし、コミュニケーションが取れるとスペインのダンススタジオに通いました」

ホームシックもあり、言葉の壁もあり「わからへん」と毎日泣いていた。ただダンススタジオに通い、踊れることが救いだった。語学学校とダンススタジオを行き来する中、上枝にある出来事が起こる。

「スペインの友達にカタルーニャの伝統的な踊りをするグループに誘ってもらって、行ってみたんです。カタルーニャ語はわからないんですけど、見て踊りを覚えたら『踊れるね、エミカ』と言われて。そこから、そのグループに入れてもらい、スペインのいろんなところで踊ることになったんです」

地元のカタルーニャ地方だけでなく、スペイン各地に向かい、グループと一緒にダンスを披露した。さらに繋がりは広がり、日本が大好きなスペイン人から「参加してみないか」と誘われ、タラゴナで開催されるカーニバルに出演し踊った。NMBで身につけたダンスが、上枝の世界を広げた。

写真:本人提供

アイドルとしての経験がスペインで活きる

そして2018年7月、ついに必要な書類が揃い、上枝は晴れて現地の芸能事務所「La Central」に所属することが決まった。

事務所に所属してからはさまざまなオーディションを受け、仕事も決まるようになってきた。CMでは「アーモンド・ブリーズ」やウナギの稚魚を模した食品「La Gula del Norte」、ドイツのスーパー「リーデル」、さらにスターバックスの広告やメキシコのラジオにも出演。雑誌「Esquire」のスペイン版にも掲載された。いずれもスペインに来なければできなかった仕事だ。

タラゴナのカーニバルにも毎年出演し、2019年にはグループで最も目立つクイーンを日本人で初めて務めた。このカーニバルでの上枝の姿を見ていた別のダンススタジオから声をかけられ、ダンスの講師もしている。

写真:本人提供

またスペインで開催される日本文化イベントに数多く出演し、ワークショップを行うなど日本のアイドル文化を現地で伝えている。2019年にバルセロナで開催された「マンガ・バルセロナ」というイベントにAKB48のメンバーが出演したが、上枝はこの際の出演交渉を行った。そのバイタリティーには舌を巻く。

多岐にわたる活動を行う上枝だが、一番の目標は以前と変わらず「グローバルな女優」だ。

「国境関係なく仕事をいただいて、いろんな国でお芝居をずっとすることが一番の目標です。スペインでもドラマや映画にも挑戦していきたいですし、スペインで頑張れば、ひょっとしたらメキシコだったり南米に行けるかもしれない。その先にはハリウッドも目指したい。本当に夢が大きくて、いろんなことに挑戦して、限界超えても日本人の女優としていろんな国でお芝居できるようになりたいです」

上枝はNMB48としてのキャリアが、スペインでも役立っていると話す。

「スペインに来たときに言語がわからなくても、目で見てぱって踊りを覚え、コミュニケーションが取れたのは、NMB48時代の6年間で急いで振りを覚えないといけない状況にあったからです。いろんな場所で緊張せずにいられるのもNMB48での経験があったからですし、日本文化イベントに呼んでいただけるのもアイドルをしていたことが大きいと思います」

NMB48時代、ステージに臨む前にキャプテンである上枝はメンバーとの円陣でこう掛け声をかけた。

「どんな時も我武者羅に! いつも、ほんまにありがとう! NMB48! チームB II!!!」

「全力」と「感謝」。グループを通して学んだことを上枝は今も大事にしている。

「スペインでは何でも全力で取り組んでいます。今も変わらず応援してくれるファン、そして日本での仕事をいただけることに本当に感謝しています。だから私に出てほしいという仕事があれば、絶対に日本に帰るようにしています」

NMBでの日々は、スペインの空の下でも生きている。

上枝恵美加(かみえだ・えみか)1994年7月13日、大阪府生まれ。2011年12月にNMB48の3期生に合格。2012年10月結成のチームB IIでキャプテン。を務める。グループ卒業後の2017年7月にスペインへ渡り、さまざまなCMに出演。現在はスペインでダンススクールの講師も務める。スペイン語を使ったTikTokが海外で人気となり、フォロワー数は現在37万人を超えている。

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