前述の通りタイヤショベル(編注:車輪で走行するトラクターショベルの一種)の運転ができて、「雪国なので除雪作業もこなします」という女性だが、
「機械作業は男の仕事と思われているため、新しく配置された男性社員が、私の能力を認めず、私がタイヤショベルに乗ることを一方的に禁止してきたことがありました」
と不本意な仕打ちを打ち明けた。それがきっかけになったのか、女性に対する風当たりは強くなっていく。
「さらに他の男性社員で男尊女卑思想の持ち主は、女性がタイヤショベルを運転すること自体が気に入らないらしく、ショベルでどこそこをぶつけたとか壊したとか濡れ衣を着せて、嫌がらせをするようになり、やがて仲間を増やして嫌がらせは増長しました」
しかも会社は、こうした状況に適切な対応をしなかった。
「上司は私の運転技術を認めていましたが、嫌がらせについては認めませんでした」
と女性は憤る。運転技術を持つ人材は会社にとって大事なはずだが……女性はその職場に見切りをつけたときの思いをこう綴っていた。
「女性というだけで持っている技術をないことにされ、認められながら守られない理不尽に辟易し、その職場は退職しました」