その会社では「いつも一人を絞って朝礼などで皆の前で個人攻撃」する悪習があったという。「悪いとは思いましたが、自分が標的にされてないことに正直、安堵しました」と、女性は振り返るが、その人が退社すると、いじめの標的が女性に代わってしまった。
「『バカ、ポンコツ、どうしてこんなこともできないんだ!』などと言われたり、無視されたり、話しかけると機嫌が悪い…そんなの日常茶飯事でした。でも社長の指示ひとつで動いている会社なので、聞かないと後で叱咤されます」
女性はわからないことを聞くと「自分で考えろ!」と言われ、自分で考えてやれば「何で聞かないんだ!」と言われ続けた。またその当時、女性の夫が末期がんで余命宣告を受けていたこともあり、精神的に疲弊していったという。
「デリカシーなさすぎてその後の記憶がありません」
いよいよ夫の余命が1週間という時に女性は職場に休みを申し出た。仕事を休んでいると職場から「いつから出勤するのか、1度会社に来い」と電話があったという。女性は会社に行き事情を説明した。
「金曜日が余命と言われていたので、木・金曜日にどうなったか連絡しますと言いました。そしたら、私の目の前で『俺!葬儀行くの!?』みたいな感じで、人事の女性と談笑し始めました。デリカシーなさすぎて、その後の記憶がありません」
結局、女性は金曜日と土曜日に連絡をしたが折り返しの連絡はなく、どうにもならないと判断して退職届を郵送した。ここまでブラックな会社なら退職も賢明な判断だろう。その後
「猫なで声で『退職届受理しました~』と電話が。そのまま退職しましたが、証拠があったら慰謝料を獲れるレベルのひどい職場でした。今も誰かを標的にしてストレス解消していると思います」
と顛末を綴っている。標的にされた社員が早く逃げているといいのだが……。