女性は未経験ながら、「初心者も採用可」という介護の職場に転職。2か月で退職した。当時は仕事探しを急いでいたのもあって、介護の資格を取得していない身で応募したという。
「給料は総支給15万円前後で、出勤簿に印鑑を押す制度の所でした。実際働いてみると、勤務時間の30分前に出勤するのは当たり前でした。まだそれだけなら我慢できたのですが……」
30分前勤務の他に、女性は夜勤も担当するように。すると職場の看護師から、”夜勤の練習”をするように言われた。
「日勤で7時30分頃から出勤しているのにもかかわらず、夜の7時まで残って、利用者さんの寝室への誘導の練習をするように言われるようになりました。3回ほど日勤で来た日も練習をしてから帰宅してました」
つまり、日勤でも実に11時間以上も拘束されている。慣れない仕事の上、長時間労働で疲労が溜まっていく女性。ある日、日勤後の練習をせずに帰宅したという。
「すると、練習するように言ってきた看護師から『この前は練習しないで帰ったでしょ?夜勤2名で仕事するんだから、自分もリーダーのような気持ちでやらないとダメでしょう!』と怒られました」
女性は「確かに、仕事は責任があるからそのような気持ちでやるべき」と思っていたが、「仕事を続ける限界」を感じたという。勤務2か月後のある日の夜勤を終えた後、上司に退職の旨を伝えた。
「自分が告げ口したとバレるのが怖くて言えませんでした」
女性は退職が決まり、制服があったのでクリーニング後に職場へ返却に。「その時は地獄でした」と振り返る。
「上司は『誰かに何か言われたんじゃないの?現場の人間関係を僕らは知らないから、教えて欲しいんだけど』と尋ねてきたが、自分が告げ口したとバレるのが怖くて言えませんでした」
この職場では現在も2名の求人が出ているという。
「きっと、新しい方が入っても続かない環境は未だに変わっていないのだと思います」