Uber配達員から「人情」が消えた。ある配達員の回想 | キャリコネニュース - Page 2
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Uber配達員から「人情」が消えた。ある配達員の回想

UberEats日本法人2周年記念パーティの様子(写真:筆者撮影)

ちなみにUberもコロナ前は、配達員を招いてオフ会を開いていた。海外企業らしく華やかなパーティーで、参加者は抽選制だったが、SNS 上で名の知られた配達員とリアルに会える場であり、Uber社の幹部社員と直に話せる貴重な機会でもあった。話こそしなかったが、現社長の武藤友木子氏を見かけたこともある。

当時Uberの社長は配達員にとって、「その気になれば、会える」距離感にいた。文字通り目に見えるコミュニティーが存在していたのである。

外出自粛で利用者が激増

こんな世界がコロナ禍で一変した。既にフードデリバリーは世間で認知されていたが、外出自粛に伴って利用者が増加した。と同時に職にあぶれた人たちが大量に流入し、にわか配達員が目に付くようになった。

配達員はありふれた存在になり、配達員同士の挨拶も見られなくなった。以前だったら、見知らぬ者同士でも会釈くらいするのが普通だった。しかしいまは素知らぬふりである。Uberの認知度向上と反比例するように、配達員の間から人情が消えた。かつてのコミュニティーは SNS や YouTube上でかろうじて生き延びているに過ぎない。

運営公式のオフ会が開かれることもなくなり、配達員向けの「公式グッズ」も手に入りにくくなった。企業が成長すると、人間関係は希薄になっていく。それは末端の配達員にも当てはまるのだった。

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