タイムタイマーは、一言でいうと「残り時間がわかる」という、ただ、それだけのアイテムである。ちなみに、お値段はアマゾンで3498円だった。
「はあ?」と思う人も多いだろう。そんなの100円ショップのキッチンタイマーでいい。なんならスマホのタイマーで十分! という声が聞こえてきそうである。実際、編集者は無粋にもそう突っ込んできた。
しかし、これには声を大にして反論したい。
タイムタイマーの一番の利点は「可視化」にあるからだ。写真を見てもらいたいが、円グラフの「赤い部分」が残り時間を表している。たとえば60分に設定すると最初は円形だった「赤い部分」がどんどん減っていき、最後には真っ白になる。
これの利点は残り時間が感覚的につかめることだ。キッチンタイマーは数字を見て判断しないといけないが、タイムタイマーは赤色の多さで残り時間が直感的にわかる。個人的には、この違いは馬鹿にできないと思う。エクセルのデータも、グラフ化すれば、直感的に理解しやすくなるのと同じだと思う。
もう一つの利点は操作のしやすさだ。真ん中の棒をぐるぐるっと回せばセット完了。それこそ秒でセットできるので、使うのに負担感がない。
これがスマホアプリだと(1)スマホのロックを解除、(2)アプリを立ち上げ、(3)時間を設定と、使い始めるのにも「名も無き無駄な一手間」がかかるのだ。そして、スマホアプリの最大の弱点は、使っているときスマホを視界に入れざるをえないことだろう。目の前にスマホがあったら、どうやったってSNSやメッセージ通知が気になってしまう。集中したいときに「集中の最大の敵」であるスマホを使うのは、やはりイマイチなのではないか。
休憩時間や料理にも使える。
もちろん、使うのは仕事の作業中だけではない。10分だけ寝たいとき、パスタをゆでるとき、読書タイムなどにも活用できる。ちょっとうれしいのは、アラームを鳴らないようにもできること。これなら職場や公共の場所で使っても、他人の邪魔にならない。筆者の購入した9センチ・サイズは、軽いので簡単に持ち運べる。
さて、もちろん、この原稿を書いている最中もタイムタイマーを使っている。次第に残り時間が減っていくのがヒシヒシとわかるので、到底サボる気にはなれない。たかがそれだけのことで、人間の意識がこんなに変わってしまうのだから、本当にオドロキだ。購入して今でちょうど2週間ぐらいだが、明らかに作業効率がアップしたのを実感している。無駄にネットみて過ごす時間やダラダラ休憩も減った。もっと早く買っておけばよかったと後悔しているぐらいだ。
しかし、このスマホ全盛時代に、超シンプルな専用機の良さを改めて実感させられることになるとは……。「なんでもできる」は、必ずしも最強じゃないね!