――当時英語には自信があったのでしょうか。
「留学や駐在同伴等の経験はありませんでしたが、TOEICは当時890点。彼女が外国人で英語を話す機会はありました」
――その欧米人は面接先の職員だったのですか。縺
「不明ですが、どこかの英語講師だったのではないかと思われます」
――30分の間にどのような会話がありましたか。′
「政治色が強く、英語力と政治思想を図られていると感じる内容でした。当時、石原慎太郎都知事が都による尖閣諸島購入を計画しており、それに関する意見、中国人が北海道の土地を購入することと絡めて賛否を問われました。労働組合だったので、そのまま左右を確認したかったのだと思います」
おいおい。露骨に政治思想を聞くのかよ……。
ただ、男性がもっとも気になったのは、面接官が「英語が分かっているのかかなり怪しい」ということだった。その役員たちは話を振られても「曖昧にうなずくだけ」で、英語ではろくに会話をしなかったのだという。
自分たちが理解できない英語で、面接を設定するのはいかがなものか……。「ここには未来がない」と感じた男性は、後日、内定通知をもらった電話口で、辞退を告げたそうだ。
その後、就活に成功して、同じ業界に入ったという男性。後日、内定辞退した組合の人たちに、海外向けに作った英語資料を送ったら、「読めないので日本語にしてほしいと頼まれた」とのこと。本当に何だったんだ……。