入社して「わずか1年数か月後」に、それは起こった。
「珍しく事務の自分よりも早く、所長、採用・経理担当の所長夫人、代表所員の弁理士が揃って出勤してると思ったら、在職中のこと細かいミスを羅列され、自主退職か解雇か選ばなければ会議室から出るな、と軟禁状態で延々責め立てられ、泣く泣く退職せざるを得なかった」
女性にとって寝耳に水の出来事だったが、実は「2人しかいない先輩の事務員も前日に同様に辞めさせられたと、その後判明」したという。
退職した今、女性はこう振り返る。
「意に沿わないと今までも同様にしてきたのだろう。今考えると、引き継ぎ書もマニュアルもなく、事務員で長続きした人はいないようだった。法律を仕事にしているだけに、事務所側に不利にならないように徹底していた。ホワイトの仮面をかぶったブラック中のブラックでした」
引き継ぎ書などをつくる余裕もなかったかどうかは不明だが、特許庁への届け出代理業務を行なう事務所の割に、仕事が雑であった疑いも湧く。
なお、厚労省は「労働契約の終了に関するルール」の中で、合理的な理由があっても、解雇する場合は「少なくとも30日前に解雇の予告をする必要がある」としている。