「研修中は営業のいろはについて教わるが」と書きだし、
「生活はまさに刑務所のよう。教官からはここを辞めたら後は人生落ちていくのみという洗脳を受ける」
とパンチの効いた研修生活を明かす。その過酷さは実際に働きだすと一層強くなったようで……
「晴れて研修が終了すると営業所に戻り、所長から一度営業を目の前でやって見せてみろと言われご所望通り披露する。その後はでは行ってらっしゃいで一人徒歩での訪問販売を開始する」
「当然ながら徒歩で移動可能な営業所の周りなどは大体行き尽くされており、内諾が取れるわけもない。 ひたすら不審者の如き扱いを受けた後、18時頃に一旦所長に『本日内諾ゼロ件でした』の報告を行う。所長からは『そうか、お前は仕事をしないな…クドクド』と有難いお言葉を頂き帰社する」
と営業所の辛そうな日常を淡々と綴る。しかし次のエピソードを見ると、新人のうちはまだましと思える。
「先輩社員の中には内諾が取れなさ過ぎて営業所内で鏡に向かって大声でひたすら営業の練習をさせられていた者もおり、そんな光景を目の当たりにしてここでの社会人生活は長くない事を悟る」
早々に見切りをつけた様子の男性は、
「幸い営業中は一人でほったらかしにされるので、働いているふりをしながら転職活動に勤しむ事ができた。これがこの会社の最もよい所だった」
と皮肉交じりに書いていた。
「馬鹿な酔い方をした連中が喧嘩するという光景も目の当たりにした」
そのほかにも、早く職場を去らねばと感じたであろう出来事を挙げている。
「地味に毎朝7時からの掃除と退勤が大体23時頃になる事や、タイムカードを早めに切れと言われる事なども今考えればきつかった」
「あとは普通に土曜出勤もあり、プライベートに費やせる時間は無くなった(その分平日は働いているふりをしてサボれたのでトントンな気もする)。土曜出勤はもっぱら太陽光設備取り付け工事の手伝いという事で、ここではしっかりと肉体労働も経験させて頂けた。色んな事を経験させてくれる会社だなぁと感心した」
と再び思い切り皮肉を繰り出す男性。「またある時は」として、こんなエピソードも披露した。
「各県の営業所の人間が集まって泊まりでの宴会をする事があったが、馬鹿な酔い方をした連中が喧嘩するという光景も目の当たりにした」
「関西のとある営業所の新メンバー(当時30代)は酔って間違えて知らない人間が寝ているベッドに突撃し、無事裏路地に連れ込まれて頭からビールをぶっかけられていた。いい歳こいて何やってんだダセェと思いながら寝た」
「なぜかそいつは翌日『昨日はありがとう』という謎の発言を残していった。まだアルコールが抜けてないのかあるいは殴られ過ぎて頭おかしくなったのかなと思った」
これが入社3か月以内に経験したことだというのだから、すぐに辞めたくなったのも頷ける。
「これでも一部上場企業だというのだから日本ってヤバい国なのかなとその当時は悲観していた」
と述懐する男性。辞めてみてどうですか?という質問には「最高」と回答していた。