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男性がハマった「配属ガチャ地獄」パワハラ上司のもとに送り込まれる理由は「タフに見えるから」

画像はイメージ

周囲から「タフ」で「打たれ強い」と評価されれば、そんなに悪い気はしないもの。しかしそれが原因で、かえってめちゃくちゃ大変な目に遭うこともあるのが、人生の悲哀というものだ。

今回話を聞かせてくれた、ある公的機関に勤務する30代男性は、とにかく「配属ガチャ」でハズレのほうが多い人生だったという。春になり異動するたびに「またハズレだ」と打ちのめされるのだが、どうやら、ハズレばかりの理由はどうやら、男性の「タフさ」にあるようで……。(取材・文:昼間たかし)

これまでの配属ガチャ、ハズレは4割

名指しは避けるが、男性が勤務しているのは政府系の大規模な公的機関。名前を出せば、誰でも知っている一定以上のスキルや素養がなければ就職できないところだ。人にいえば「安定している」「エリートだ」と羨ましがられそうな職場だが、そんな場所にも「ハズレの上司」や「ハズレ部署」というのはあるものだ。

男性は「回数は厳密でありませんが、これまでに4割くらいはハズレでした」と肩を落とす。

異動はおよそ2年に一度。まったく問題のない部署もたくさんあるはずなのだが、なぜか男性は「よりによってここか」という、ヤバいパワハラ上司のいる職場に配属されがちなのだという。

「上司からの指示は、頭ごなしに『頭使え』と怒鳴られるだけ。回す決裁を一瞥して破り捨てられたり、話しかけるだけで鬼の形相でにらまれたり、報告を上げに行っても無視されたり、返事をしてくれたと思えば他の人にはしないようなイラついた口調だったり……などですね」

もはや、昔ながらの「パワハラ上司仕草」がコンプリートされそうな勢いだ。

週に5日続くパワハラは、たまの休みの休息にも影響を及ぼすという。

「一番ひどいときは、家にいても休みの日でも嫌な記憶がリフレインされているので気が休まりませんでしたね。そうでないときは暴飲暴食をしていました」

こんな上司にあたったら、出勤したくなくなることは必定。しかし、男性が勤務しているのは先にも書いた通り、世間的にはエリートと見做される公的機関だ。筆者も、別の取材で何度か訪問したことのあるが、どちらかというとエリート然とした植物みたいな人が多かった印象がある。そんな人たちも内部では人が変わるということなのだろうか。

「今はかなり減ったように思いますが、昔からパワハラが横行していました。『エリート意識』からくるパワハラをする人もそこそこいます」

世間的には、こうした「パワハラ上司」は、周囲から総スカンを食らって処分が進み、絶滅危惧種になりつつあるイメージだ。

しかし、このように「安定した」職場では事なかれ主義が蔓延しがちな部分もあるようで、結果的にパワハラ上司が生き残ってしまうのだという。

「課内でも、あたらずさわらずでみんなやり過ごしている感じなので、自浄作用は働いていませんね。実際にそのパワハラ上司は、自分より上にはへこへこで下には地獄を見せるタイプで、さらに上司からは『それでもあの人がいなくなると仕事が廻らないから』という評価のようです」

部下・同僚の評価は最悪だが、上司からはそこそこ評価されるというタイプか。そういうタイプはたちが悪い。

職場ガチャにハズレる理由は?

なぜこの男性は、ハズレにばかり異動させられるのか?

「どうやら、私がタフそうに見えるかららしいです。それで、パワハラ上司につけても耐えられそうと思われているみたいなんですよ。人事はなにも考えていないと思いますね」

普通「タフ」というのは褒め言葉だが、そのせいでこんな苦行に遭わされるとすれば、損をしているとしか言いようがない。

それでも男性が辞職せずに耐えているのは、2年に一度くらいのペースで必ず異動があるから。「明らかにパワハラが酷い時はもっと短いスパンで異動になることもあります」と男性は語る。いちおうは人事側も、そこが「ハズレ職場」だと認識しているのだろう。

ちょっと心配なのは、長年の苦行に耐えきり、落ち着いた鋼のメンタルを手に入れた男性がいっそう「タフ」に見えるため、今後もパワハラ上司のお守りを押し付けられるのではないかということ。それにしても、人事もそんな気を回す暇があるのなら、根本原因であるパワハラ上司に「アンガーマネジメント」の講座などを受けさせて、体質改善を図ってもらいたいものだ。

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