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「会議で決めたこと」をそのままにしない! 外資系コンサルが行う「フォローアップ」のテクニック

画像はイメージ

準備して、参加して、となにかと面倒な会議。でも、「やり方」さえ理解すれば、ダルい会議を前向きな会議に変身させられるかも? 「効率の良い会議の作り方」をグローバル系コンサルの「外資系うさぎのちょこさん」に教えてもらった。

※※※※※

これまでの2回では、会議の事前準備、会議当日の進行について解説してきました。今回は、会議終了後の議事録作成や会議で発生したタスクのフォローアップのコツについてお話していきます。

会議をうまく進行して、結論も出せて、一件落着。と思いきや、「会議で決まったことが何もできていなかった」ら、まるで意味がありません。フォローアップも重要です。

実際、課題やToDoのフォローアップは、プロジェクトマネージャやPMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)の必須スキルです。

ここもしっかり身につけましょう!

議事録は「フォーマット化」してしまえばとても楽

準備編と同様に、ここでもフォーマットを活用していきます。

会議運営など定常的に発生するタスクはとにかく「フォーマット化」や「仕組み化」してしまって、毎回どう準備するか、どうフォローアップするか、に悩んでしまわないようにするのがよいです。

では早速、フォーマット化された議事録の例を見てみましょう。


【基礎情報】
・会議名:【○○部門RPA導入プロジェクト】週次定例会
・開催日時:2022年○月X日 10時00分~10時30分
・出席者
PM/PMO:田中、木村、高橋(記)
業務設計チーム:佐藤リーダー、佐々木
開発チーム:渡辺リーダー
・欠席者:中村(Bチーム)
・議題
進捗および課題の報告(各チーム)
導入製品の比較状況の共有(開発チーム)
課題の対応案と担当者の検討(PM)
決定事項の確認、次回議題の確認(PMO)

【結論/決定事項】
・進捗および課題の報告
→業務設計チームの進捗は当初予定からの乖離なし
→開発チームより進捗には問題ないものの、以下の課題を新規追加
※課題No.xx:RPAエンジニア1名が来月退職となるため追加アサインの必要あり

・導入製品の比較状況の検討
→比較した製品A、B、Cのうち製品Aを候補としたいが、初期コストが当初想定を超過するため、新たに役員承認を取ることとする(ToDo1)
※製品Aは初期コストが高額となるが、メンテナンス性、拡張性が高いことから今回の要件に最も適している
※製品B、Cは初期コストは低額であるが、自社内でのメンテナンス、追加開発が難しく今後の利用拡大が難しくなる見通し

・課題の対応案と担当者の決定
→前回起票の課題No.aa, bb, ccは対応完了
→今回起票の課題は以下のとおり対応
※課題No.xx:開発チームよりシステム部へアサイン可能要員を照会し選定する(ToDo2)

・決定事項読み合わせ、次回議題の確認
→決定事項につき全員承知の旨、確認
→次回議題として、今回起票された新規課題、ToDoの対応状況を確認する。

【ToDo/課題】
・ToDo1:導入製品の初期コスト予算超過の承認申請の起票と提出(担当:PMO木村、期日:○月△日)
・ToDo2:システム部へのエンジニア追加アサインの候補者照会(担当:開発チーム佐藤リーダー、期日:○月□日)

【その他】
・次回定例は祝日の都合で開催日が変更となるためPMOより会議招集を再送予定


よくありそうな部門内ツール導入系プロジェクトの週次定例をイメージして書いてみました。

このように議事録を構造的にフォーマット化しておくと、「決定事項にはこれを書こう」、「ToDoはこんな感じかな…」と型に沿ったアウトプットができるようになります。これも一種のフレームワークですね。

では次の、このフォーマットの解説です。

【基礎情報】

これは会議準備編で解説した、「会議の前に参加者や議題を明確にする」ことが実行できていればほぼ自動的に埋められる内容ですね。

議事録は、その会議に参加してできなかったメンバーや、参加対象者ではないものの会議の内容を知っておきたい上司、関連部署メンバーなどが読んで内容を理解できる必要があります。

そのためには、どんな内容を話すために誰が集まったのかという情報も、もれなく書いておきましょう。

【結論/決定事項】

いちばん大事な要素です。
議題ごとに、

・決まったことは何か
→その理由や背景は何か
※さらにその補足情報はあるか

といった形で、シンプルな構造かつ、結論ファーストで書くのが良い議事録ですね。

議論の経緯を発言録のように事細かに記載するタイプの議事録を作っている方も少なくないかと思いますが、定例的な進捗/課題の確認回くらいであればこのように結論と背景だけを箇条書きで書いていく程度の粒度で問題ないと思います。

一方で、コンサルがクライアント役員向けの進捗報告に同席する場合など、クライアント役員がどんな観点で何を話したのか、詳細を記録に残した方がよいケースもあります。その場合、最初に上記のようなシンプルな決定事項を記載し、その後に補足として発言内容の詳細を記載、というパターンで書いてみてください。

どちらの場合も、会話のやりとりを全て記載するのではなく、一問一答形式のように会話内容を整理して構造的に整理できると読みやすい議事録になります。

【ToDo/課題】

会議をやりっぱなしでそのあとのToDo管理を誰もやらない…なんて会議、よくありますよね。

そんな事態を避けるために、会議中にToDoの読み合わせを済ませ、議事録で更にその内容を展開、周知する、といった二段構えで対応しましょう。

ToDoの書き方もシンプルに

・○○をする(誰が、いつまでに)

という構造で書くのがよいです。

その際に、できるだけ具体的なアクションがわかるように5W1Hを明確に書くのがポイントです。

議事録例の中でも以下のように、誰が具体的にどんなことをいつまでにやるのか、をシンプルに記載してありますね。

・ToDo1:導入製品の初期コスト予算超過の承認申請の起票と提出(担当:PMO木村、期日:○月△日)
・ToDo2:システム部へのエンジニア追加アサインの候補者照会(担当:開発チーム佐藤リーダー、期日:○月□日)

よくない書き方だとこんな感じになります。

・ToDo1:予算超過の対応
・ToDo2:エンジニア追加アサインの確認

検討、対応、確認…といった、一見それっぽいことを言っているようでよく読むと具体的に何をするのかわからない言葉、使っていませんか?

そんなときは、上記の議事録例を参考に、誰が読んでも5W1Hが具体的にイメージできる書き方になっているか、という観点でセルフレビューするのがおすすめです。

【その他】

ここは特に補足の必要なないかと思いますが、会議中に出た議題外の話題や、参加者への連絡事項などがあればこれも構造的なフォーマットで一箇所にまとめて記載すると読みやすいですね。

これで議事録の完成です!

議事録の展開とToDoのフォローアップ

最後に、会議参加者や、参加者ではないけど会議の決定事項を知らせておく必要がある上司や関連部署のメンバーなどに議事録を忘れずに送りましょう。議事録のレビューや手直しの対応も考慮すると、翌日中にはこのステップまで済ませておきたいところです。

その後、ToDoとして設定されたタスクの対応状況や、そこから新たな課題が発生してにないかを、タスクを割り当てられた担当者へ定期的に確認していきます。定例会がある場合は、開催都度、現在の対応状況を簡潔に報告してもらう運用がシンプルで楽ですね。

予定期限内での全ての課題、ToDoの対応完了を目指しましょう!

というわけで、今回はちょっと長くなりましたが、「効率の良い会議の作り方」の最終段階、議事録&フォローアップ編でした!

議事録の書き方にお悩みの各位、ぜひこの記事に記載のサンプル議事録の構造をフォーマットとして使ってみてください。
きっと、今までより楽に議事録作成ができるようになるはずです。

ではまた次回!

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外資系うさぎのちょこさん
職業:プロの転職家、外資系渡り兎。現在は某グローバル総合系コンサルファームのシニアマネージャ。 コンサル業界ネタを中心に、若手ビジネスパーソン、就活生、転職活動中の各位向けの有益な情報を呟いたり有益なnoteを書いたりしています。フォローすると有益になれます。

Twitter → @ChoConejito
note → https://note.com/choconejito

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