お得意先であるのをいいことに、図々しい要求をしてくる人もいる。事務用品の販売をしている50代後半の男性(埼玉県/営業)は、あるとき「お客様からボールペン芯が書けないとのクレーム」を受けたという。
しかし、そのボールペンを確認すると
「芯はほとんど使い切っていました」
というから驚きだ。さらにその客は、どこまでも厚かましく常識外れな要求をしてきたという。(文:永本かおり)
「じゃーこれもねと言って使い切った芯を10本位出してきました」
男性が勤務する会社は事務関連の物品を販売しており、この客は会社に直接届けてもらう形で事務用品を購入していたようだ。相手は年配の女性事務員だった。
営業担当である男性が「その芯をお客様事務所で確認」したところ、前述の通り芯はほとんど使い切られており、インクが出なくなるのも当然のことだった。
明らかに客の理不尽なクレームだったが、男性は「芯一本で事を荒立てる事もないか」と思い「新品と交換致します」と親切に対応したという。
ところがその瞬間、客は「あっそう」と言って自分の机の引き出しから
「じゃーこれもねと言って使い切った芯を10本位出してきました」
と騙し討ちのような要求を突き付けて来た。この様子に男性は、「呆れました」と心情を綴り、あまりにも非常識な客に対してこんな対応を取ったことを明かした。
「交換は頼み込んで半分にしてもらいました」
「それからそのお客様の注文はお断りしました」
勝手すぎる迷惑客とはきっぱりと縁を切ったということだ。
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