12年前、不動産会社の面接を受けた。銀行の実質的な子会社で、「面接官は、聞きもしないのに銀行からの出向と言っていました」と語る。
「面接官は2人で部長クラスと自己紹介していましたが、いずれも陽気かつ赤ら顔です。2人のうち50歳前後の若手のほうが、酔った様子で最初からテンション高く質問してきました。どうやら納会の最中に抜けだしての面接のようでした」
勤務時間中に社内イベントなどで酒が出ることはあるが、面接があるなら普通は控えるだろう。男性は「違和感を覚えつつも『出向社員だから仕方ないか』と思い、大人な対応で普通に面接を受けました」と語る。
面接自体は、志望理由やこれまでのキャリアで活かせることなど、事前に送っていた書類に基づいて順調に進んでいった。しかし、まさかの「片方が居眠りを始めた」というから驚きだ。
「もう一人の方が私に質問している途中で、酒が回ったのかウトウトしだし……。後半は、ついに寝落ちしていました。最後のほうで目覚めて少し動揺していましたが、隣の面接官は気づいていなかったようです」
前代未聞の事態にさぞかし突っ込みたかったことだろう。「こちらとしては、貴重な時間を割いて面接に応募しているのに言葉を失いました」と当時の驚きを語った。
失礼な会社に「頼まれても入るもんか!」と奮起、年収は1.5倍以上に
その面接は突破し、三次まで行ったが不採用だった。「最終の役員面接を受けてから約1か月間、回答なしでした」というから、最後まで失礼な扱いだったようだ。その後をこう語る。
「良くも悪くも『銀行様』的な姿勢でしたので、頼まれても入るもんか!と心に誓い努力し、別の会社に入社しました。その後、別の会社での実績が認められて現職にヘッドハントされ、役職のみならず年収も1.5倍以上となりました。一方、居眠り面接官の会社は最終的に破綻しています。おごれるものは久しからず…と改めて感じました」
男性の年収は、現在1400万円だという。そのまま入社していたら共倒れだったかもしれないが、失礼な面接をバネにできたことは結果的に良かったと言えそうだ。
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