女性にとって信じられる同僚はいなかったようだ。
「誰しも忘れることだってあるのに、ここの人間は絶対自分のミスを認めない」
と不審感を募らせていた。そんな女性が「ただ毎日必死で仕事して、黙々と通っていただけ」の日々のなか、「私の知らないところで残りのパート3人が支社に呼ばれて、何か話があった」らしいという。その後、
「突如電話が来て呼び出しを受け、支社長と部長に『あなたはもう3人から聞いたけどあそこではやっていけないね、あなたみたいな人でもやっていける店に転勤しなさい』」
と言われた。「転勤」とは店の異動のことだろうが、「何がいけないのか理由も何も告げず」一方的に言い渡された。パート3人から何を言われたのかもわからず、弁解の機会もなかったようだ。これには女性も黙っていなかった。
「もうその時には職場の異常性がわかっていたので、心療内科に行き適応障害の診断書をもらい用意してあったので、それを支社長に突きつけて全て言いたいことを言って辞めてきました」
診断書が出たくらいなので他のパートから見て不安定な面があったのかもしれないが、それだけ職場がストレスで追い詰められていたのだろう。
「足がすくむほど仕事に入るのが嫌になっていました」
支社長からの理不尽な通達を、女性は怒り心頭でこんな風に振り返っていた。
「ハラスメントの窓口はあるものの、窓口のトップは支社長なので、話をすることもできず、最後の方では仕事に入る時にドアを開ける手が震えるほど、足がすくむほど仕事に入るのが嫌になっていました。それにいくらなんでも、『あなたみたいな人』などと言われる筋合いはありません!」
その上で「お客様はみんないい方で楽しかったですが、周りが酷すぎました。この会社独特とでもいう謎ルールの数々」と思いを綴り、辞めたことについては
「大満足です。一人で仕事できたり給料良かったりはしますが、心の健康には代えられないですし、表向き綺麗でも異常な世界はあると気付かされました」
とせいせいしたように振り返った。
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