せっかくの面接の場なのだから、女性には「給与、交通費など」の聞きたいことがたくさんあったが、店長は「オーナーではないから答えられない」の一点張り。「面接とは呼べない内容で雑談だけでした」と振り返る。また「履歴書を渡さなければよかった」と後悔もしている。
翌日、オーナーから電話がかかってきた。
「高熱が出て昨日は申し訳なかったとの謝罪と、『面接は合格です、私のLINEのID教えるので検索して』と言われました」
合格を突然伝えられた女性だが、待遇などについて何も知らされていない状態だ。当時の心境をこう明かす。
「労働条件や詳しい話をまず私にするべきでは?」
少し違和感があったものの、「とりあえず初出勤日までに雇用契約書の画像をLINEで送ってもらう、または郵送などしてもらって、目を通して納得いかなかったら辞退すればいいか」と前向きに考えていた。
ただ、給与を一刻も早く知りたかった女性はオーナーに聞くも、「それもLINEで送る」と言われてしまう。ここでも違和感を抱いただろうが、「質問があれば電話かLINEで連絡取ればいいかな」と深く考えなかった様子。そこでオーナーにLINEで聞いてみるも、「12時間ほど経っても既読になりません」と困惑したに違いない。「30時間ほど経った翌日の朝」にようやく返信が来たが、肝心な「給与の記載はなし」だった。返信には「登録しました、宜しくお願いします」だけだった。
「交通費、締め日、給料日、給与口座はどの銀行でもいいのかなど、聞きたいことはたくさん」あった女性だが、一向に教えてくれない状況にモヤモヤしただろう。そこで、オーナーに「交通費等、ほかにも聞きたいことがいくつかあります」と率直にメッセージを送った。しかし返信の内容は、
「初出勤はこの日(10日ほど先)でお願いします。社員通用口から入ってもらうから建物のこの辺りに9時40分にいてください、迎えに行かせます」
と、またもや的外れなものだった。
この時点で、女性は雇用契約を結んだつもりはなく、オーナーとの間に温度差がある。あまりの情報のなさに不安を感じた女性は、「労働条件が記載された紙を郵送してもらえないか、または画像でもいいから入社日までに見せてほしい」と電話した。するとオーナーからの返事は、
「(女性の)2回目の勤務日に、オーナーがお店に来る用があるからその時に渡してほしい」
というもの。このメッセージを女性は次のように解釈していた。
「勤務初日にオーナーは不在だが書類がお店に用意されていて、2日目に印鑑とサインをした書類をオーナーに渡すという意味と勘違いしました」
確かに、オーナーの言葉をそのまま受け取れば、女性の解釈が間違っていないように思える。女性は、初日に勤務前に書類に目を通して、「納得いかなかったら働かずに帰ってこよう」と思っていた。それから10日ほど経ち、ついに初出勤日を迎える。【後編へ続く】
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【後編はこちら】どういうこと!?初出勤日に「すぐ帰れ!雇えません!」と言われた女性