社会保険労務士は社会保険や労務管理を扱う専門家だが、勤務先が当然のように法令違反していたら、働くのもイヤになりそうだ。
企業に代わって社会保険等の手続きを代行する社労士として働いていた40代男性(事務・管理)から、ブラック企業時代のエピソードが寄せられた。その会社では、
「20時ころ会社を出ようとすると『今日は飲み会でもあるのか?』と言われた」
という。退勤時刻として20時は特別早くはないだろうが、何も予定がないと帰れない雰囲気が見て取れる。つまり長時間勤務が常態化していたようだ。(文:林加奈)
お客に「労働基準法はこうですから」と言いながら自分は……
当時の勤務先は「税理士や社会保険労務士等の資格を持つ人や、目指している人が多数在籍しているアウトソーシング会社」だった。男性は、当時の違和感をこう振り返る。
「深夜残業、休日出勤をしても賃金が支払われず、休日出勤分の振替休日も半年以内に取得しないとなくなってしまうというおかしなルールがまかり通っていた」
「しかし、契約先のお客さまには『労働基準法はこうですから』と指導している自分が嫌になった」
労働基準法について説明する立場にある人が、労働基準法に違反している会社で仕事を続けていたのだから矛盾でしかない。嫌気がさすのも無理はないだろう。
そんな会社だからか、上司も問題のある人だったようで、
「上司の口癖は『ここにいれば多くの経験が積める。だから深夜残業、休日出勤をタダでやるのは当然』とよく言い、退職した人間を負け組みたいな言い方をし、マインドコントロールにかけていた」
と酷いものだった。深夜残業も休日出勤もタダでやるのは当然なはずがない。しかしそれも過去の話となっているようで
「退職した人間たちとたまに会うが『あの発言はあり得ないよね』と笑い話にしている」
と、今は笑い話として昇華できているようだ。
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