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「お詫びに、今日は私を好きに…」取引先の女性から出たとんでもない一言 ある男性の回想

画像はイメージ

数十年前の職場では、良くも悪くも今の時代には考えられないことが起きたものだ。千葉県の70代男性は90年代半ばごろ、謝罪に訪れた取引先の女性営業にとんでもないことを言われたという。

「足を開いてスカートの中が見えるように、話をしてきました。そして、『お詫びに、今日は私を好きにしてください』というので、驚きました」

どういう経緯でこうなったのだろうか。編集部は男性に話を聞いた。(文:天音琴葉)

「ワード、エクセル、パワポもできます」→「パワポは使ったことがない」

当時40代だった 男性は大手電気通信事業者で技術者として働いていた。担当していた業務が急に忙しくなり、文書整理や資料作成ができる人を一人、大手派遣会社に依頼した。そこの担当営業が若い女性だった。

その女性営業に人材の要件を伝えると、しばらくして20代の女性が派遣でやってきた。

「ワード、エクセル、パワポもできますということだったので、仕事を頼んだのですが、一日経ってもできてこないので、『どうしたの?』と聞くと、『パワポは使ったことがないので分からない』というのです。『どうしてすぐに言わなかったのか』と聞いても、『どう伝えたらいいか分からなかった』とかいう感じで、的を得ない回答がほとんどでした」

頼みたい仕事ができないなら交代してもらうしかない。次も同じ年頃の女性が派遣としてやってきたが、「ワードは分からない」という始末だった。

「派遣する人の能力を確認しないで派遣するのは、無責任だと思いましたので、二回目は女性担当者に電話で相当強いクレームを入れました。『どうしてできると言ったことができないのか』と確認したら、『自己申告なので、こちらでは実際できるかどうか、確認していません。すみません』と謝られました」

一度ならず二度までも能力が足らない人が派遣され、業務が滞ったというから、男性がきつく言いたくなった気持ちは理解できる。すると、女性担当者にクレームを入れた数日後、彼女の上司が職場を一人で訪ねてきて謝罪した。

「普通のサラリーマンという感じで、物腰は柔らかい感じでしたが、上司はどうも自身の仕事内容をあまり理解していない感じがしました」

その数日後、件の女性担当者が謝罪に訪れた。一人でやってきたという。

「彼女も相当会社で怒られているようで、同情はしますが、私ではどうしようもできないことでした」

と当時の心境を振り返った。

「彼女は少し小声で、私の目を見て、言い出しました」

女性担当者は謝罪訪問から数日後、再び男性の職場に一人でやってきた。前回、男性が派遣社員のスキル確認に関して質問したため、その回答を伝える目的だった。

しかし回答したあとのことだった。前述の通り、足を開いて膝上丈のスカートの中が見えるように応接の低いソファに座り、「お詫びに、今日は私を好きにしてください」と言ったのだった。

「彼女は少し小声で、私の目を見て、言い出しました。自分の耳を疑いましたけど、態度からもそう見えたので、かなり驚きました。多分、上司に『お前のせいだ』とかいう感じで責められて、彼女もどうしようもないので、最後に私に対してそういう態度に出たと思われます」

そんなことを言われても困ってしまうだろう。一連の件は彼女個人に責任があるわけではなく、派遣会社の問題であると考えていた男性は、「気にしない方がいいですよ」などと声を掛け、帰ってもらったという。

「ここで誘いに乗って会社にばれたら、首にはならないにしても、窓際は確実かもしれないので……」

と、当時の心境を振り返った。

その後、3人目が派遣会社からやってきた。今回派遣された女性は、仕事はできたものの家庭の事情があり1週間ほどで来なくなってしまった。

結局、男性はこの派遣会社に4人目を依頼するのをやめ、別ルートから派遣に来てもらって、ようやく仕事を任せられる人に出会えたという。しかしロスした時間を取り戻すことは容易ではなかったようだ。

「2週間くらいの業務遅れが出て、上司からもこっぴどく怒られましたね。後日、都内の地下鉄の駅で、派遣会社の女性担当者を見かけました。元気がない様子でしたが、声は掛けませんでした」

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