快諾した男性に、社長はこう返してきた。
「よっしゃ! それで人が揃ったわ! じゃ今晩1時に事務所の前に来いよ!」
深夜の召集に、男性はかなりの不安が込み上げてきたというが、「けど逮捕されるようなことはさすがにやらせないだろーなー」と思い直し、約束の午前1時に事務所前に行った。すると社長がやってきたのだが……
「2トントラックの後ろに幌がついてるタイプが私の前に止まって、社長が運転してました。『乗れ!』って言われたんで空の助手席に乗ろうとしたら『バカ! 後ろだよ!』って言われて幌の方に向かい幌をめくってみると……(中略)合計8人くらいの知らないおじさん方が乗ってました」
「君は初めて? 社長のとこの若い人?」
なにやら怪しい展開に。しかし後に引けなかったのだろう。荷台に乗り込むと、すぐにトラックは発車した。40分くらい無言が続き、着く手前になった頃に1人のおじさんに話しかけられたという。
「『君は初めて? 社長のとこの若い人?』って。『はい、単発の仕事って社長に聞きました』って答えたら、『そーかー、まぁすぐ終わるけど気をつけてね』って言われて余計に不安に。何に気をつけろと??」
不安がピークに達していただろう。すると、そのおじさんは「つけろ」と言い、黒い塊を渡してきたのだった。
「これなんだろと思い広げると黒の目出し帽……。みんな黙ってマイ目出し帽を装着しだして。完全にテロリストの集まりみたいな状態に」
目出し帽の集団の一員となった男性が、「これはさすがに強盗か空き巣でもやらされるのかなと真面目に覚悟してた」と思ったのも無理もない。予想通り、最悪の展開になってしまうのだろうか。【後編】へ続く。
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【後編はこちら】「すぐにトラックに乗れ!急げ!」報酬は5万円、深夜1時に目出し帽を被らされ「夜逃げ」の手伝いをした男性