支払うと言っていたものが支払われなかったり、そもそも無給で働かそうとしてきたり、といった職場では働き続けられない。
東京都の60代女性は、あるとき「レッカー車の手配をする」仕事に就いたが、たった5日で辞めたという。月曜から働きだして、金曜に辞めたそうだ。理由はいろいろあるようだが「ウチから近いけどバスで交通費が出る話でした」と切り出した。(文:篠原みつき)
「掃除機と拭き掃除があるので30分前には来るように言われた」
職場は「個人経営の会社」で、年配の従業員が一人辞めるため補充で雇われた。初日に、その辞める人が仕事を教えてくれたが、
「掃除機と拭き掃除があるので30分前には来るように言われた。え?給料出るの?と思ったけど、後から聞くか、とその場では未確認」
よくある早出の時間外労働に違和感を覚えたものの、その場では一旦スルーした。仕事が始まると、他にもう一人女性の従業員が出社した。「その人は長くやっていて9時過ぎとか重役出勤」と不満げに語る。モヤモヤすることはそれだけではなかった。
昼食は自席で食べてパソコンを見ていると、
「とっとと仕事するのよ!」
と一喝された。女性は「え?」と驚いたが、言われた通りに昼休憩を切り上げて仕事をしたという。こんな調子で大丈夫なのかと不安になり、社長の息子である専務に疑問点を確認したところ、案の定
「朝の早出、昼ご飯の一時間も無給と言われる」
当然のように勝手な悪条件を突き付けてきたのだった。昼を早めに切り上げて働いているので1時間無給は理不尽だ。結局、女性はその週のうちに退職の意向を伝えた。
「5日目に辞めると言うと給料払うから来てと言う。でも5日働いても東京都の最低賃金より安いと言うと会社に付いてる社労士がいいと言ったって」
これには泣き寝入りするしかなかったようだ。しかも給料に交通費は入っておらず、「お昼も早出もした」と訴えると、相手は嘲笑うようにこう答えた。
「PASMOじゃかかった証拠ないし、昼仕事も証拠ないしねー」
しかしPASMOなど交通系ICカードはアプリや発券機などで履歴を確認できる。そのときは言われるままに諦めてしまったのだろう。交通費とお昼の時給について「トータル8000円くらい損した。今なら初日に確認したり労基に訴えたり出来たのにと思います」と悔しさを書いていた。
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