女性の勤めるスーパーでは、鶏皮は商品として扱っていなかった。そのため、先輩社員から「鶏肉を切った時にあまりにも鶏皮が多かったら、うちは鶏皮を販売していないから持って帰ってもいいよ」と言われていた。
「ただ、実際そんなに余ることはありません。でもAさんは『子ども達のおやつに持って帰ろー!』と鶏皮をわざわざ切り離しはじめ、おまけに肉もわざと付けたまま持ち帰るようになりました」
さすがにそれはどうかと思った女性は店長に伝えたが、「人手が足りてないからねぇ……」と黙認された。ほかにもAさんは、商品を冷凍庫から出して放置し、自分がやったのを忘れて「なんで冷凍肉が出ているの!?」と怒る、自分の不手際から蛍光灯を割るなどしていた。
「その罪のなすりつけはすべて私に……。冷凍肉の時は少し時間が経ったら『あっ!出したの私だった~テヘペロ~』。それだけじゃありません。仕事中に『子どもの旗振り当番だった!』と仕事を抜け出したり、消音にすべき自分のスマホが鳴ったら普通に電話したりしていました」
売上に貢献した女性だったが「あ、もう知らね」
せっかくパートを採用しても、これでは人手不足解消にならないだろう。それだけでなく、女性が再婚を決めたときには、
「どこからか聞きつけ、なぜか『再婚するとか絶対許さない!』毎日毎日罵詈雑言浴びせられました」
と恩を仇で返すような仕打ちをした。結局、女性は退職をしたが、実はこの職場、彼女が回していたも同然だった。
「上司がなかなか発注を控える人で、以前は頻繁にお客様から『またひき肉ないの?』『また広告の品のお肉ないの?』とクレームを受けていました。でも私が発注を始めてから売り上げが大幅アップし、お客様にも喜ばれていました」
その後、この職場はどうなったのか。女性は「人手もようやくトンデモ新人含めて3人になったところですが、こちらが鬱病手前で精神科にかかろうかと思ってたほどなので『あ、もう知らね』って感じでしたね」と回想していた。
※この記事は2021年4月2日に配信した記事を一部再編集したものです。
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