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世間では冬のボーナス増額のニュースも耳にするが、すべての会社員が恩恵を受けているわけではない。支給額が少ないこと以上に、その決定プロセスに納得がいかず、やる気を削がれる人もいるようだ。
福岡県の40代女性(事務・管理/年収350万円)は、会社のボーナス支給規定が突然変更されたことに憤りを隠せない。
「一昨年くらいから、手取り額が一律10万円支給になった。その前までは、部長クラスが人事評価をして加算減算していたのだが、社長の鶴の一声で一律支給へ変わってしまった」
以前は評価制度が機能していたようだが、トップの独断で一律支給に変更されてしまったという。頑張ってもサボっても同じ金額となれば、真面目に働くのが馬鹿らしくなってしまいそうだ。(文:篠原みつき)
「月々の月給不足分を補っているイメージ」
当然、女性は「なにをモチベーションに頑張ればいいのかわからない」と嘆く。支給された10万円の使い道についても、
「スノータイヤを購入したら終わった」
と綴っており、生活必需品の購入で右から左へ消えてしまったようだ。
一方、茨城県の40代男性(営業/年収300万円)は、昨年に続き30万円が支給された。金額は変わらないものの、男性もまた評価制度に疑問を持っている。
「概ね変わらないです。昨年は30万で、今年も30万でした。形上の評価はありますが、特に明確な評価基準はなく、零細で売り上げも落ちているので、仕方ないと思いましたが、生活は厳しいです」
会社の業績や規模を考えれば「仕方ない」と諦めているようだが、その使い道はレジャーや贅沢品ではない。
「寸志で月々の月給不足分を補っているイメージです」
ボーナスが「労働へのご褒美」ではなく、日々の生活費の赤字補填に消えてしまうという切実な現実。物価高も相まって、今年の冬も懐事情は厳しいようだ。
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