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年1回の選挙で会社幹部を選ぶオンデーズ 社長は「僕の扱いづらい人が部長になった方がいい」

会社の上司を、一般社員が選べるとしたら――。そんな妄想のような制度で業績を上げている会社がある。4月28日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)は、低価格帯めがねチェーン業界3位「オンデーズ」の驚きの人事システムを取材していた。

社長の田中修治氏(38歳)は、業績低迷中の8年前に就任。5年前から販売部門の社員324人のうち、店長をはじめとする管理職124人をすべて選挙で選ぶ改革に踏み切った。社歴に関わりなく「やりたい人間はどんどん立候補できる」と社員にも好評だ。(ライター:okei)

「社長わかってねえ」という現場の声に答えた

人事権といえば、会社の専決事項。社員に言うことを聞かせるための最大の武器をあえて手放した理由について、田中社長はこう語る。

「会社にとって一番良いと思ってその人を管理職に据えたのに、他の人たちからは『社長、現場わかってねえよ』とか(不満が出る)。自分が決めたことは全部正しいわけではないと、最初の2~3年間で気付いた」

年1回の選挙は本格的にこだわり、政治家のような候補者ポスターや政見放送まで行う。「OWNDAYS SUMMIT 2015」の当日は、照明がきらめき音楽が鳴り響くクラブでのパーティといった様相だ。

「エリアマネージャー解散総選挙」はショーアップされた格闘技戦さながらの紹介で、各候補者が壇上にあがってTED風のプレゼンを行う。単なるお祭り騒ぎにも見えるが、取材した大浜キャスターは「とにかく皆まじめにまじめに取り組んでるんです」と説明した。

エリアマネージャーの選挙ポスター(オンデーズのウェブサイトより)

エリアマネージャーの選挙ポスター(オンデーズのウェブサイトより)

店舗もできるかぎり休業にし、1200万円の費用をかけて行っている。狙いは「人材確保や育成」にあり、かつては不満や愚痴がまん延して50%ほどだった離職率が、選挙を始めてから改善され、現在は5%ほどになった。

番組では、7人の候補者から5人を選ぶエリアマネージャーの座を賭けた戦いに注目。結果発表後、田中社長は「嫌いな人はいますけどね、(当選した)エリアマネージャーで」とサラッと漏らしつつ、笑っていた。

将来は「次の社長」も選挙で決めたいと抱負述べる

他人に意思決定を委ねることは、すなわち自分の意に反する結果を受け入れることだ。社長が納得する結果しか出ないのなら、それは茶番にすぎない。それでも自分の感情より、社員が納得する形で就任する方が大事、との信条があるのだろう。

「人事権が社長にあるとイエスマンばかり周りに置くから、僕の扱いづらい人が部長になった方がいいんです」

さらに放送終了後、田中社長はフェイスブックに感想を語り、次期社長すら選挙で決めたい考えを明かした(原文ママ)。

「なんか嬉しいなー。5年前に最初始めた時は、社内外から馬鹿にされまくったけど、続けてきて良かった。今は『辞令を極力無くして立候補で決める』というカルチャーがオンデーズに深く浸透して、この仕組みがあるから海外でも結果を出すことができてると思う。もっとブラッシュアップして、最後は俺の次の社長を選挙で決めれるようにしよう」

その心情は、自分自身の改革によって組織が成長していくことを心から楽しんでいるように見えた。過去の自分に対する反省もあるのだろう。田中社長はブログで「会社の一番の敵は社長である。」と題し、「なんでもかんでもオープンにする」ことで自分自身を律しているとも語っている。

あわせてよみたい:新人は朝早く出社すべきなのか?

 

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