スタッフは女性一人だけだったため、彼女がいなくなった後の店は案の定仕事が回らなかった。すると3日後、女性は驚きの連絡を受ける。
「戻ってきてほしい」
店長の親である「会長」が事態を重く見、女性と三人で話し合いが持たれた。女性は気が進まなかっただろうが、結局職場に復帰することになった。当然、待遇の改善などを期待するところだ。だが反対に、女性は給料日に絶句することになる。
「その月の給料は、クビになって仕事に行っていなかった3日分が欠勤扱いとなり給料から引かれていた」
働いていないのだから給料は出ないという理屈だろうが、泣きを入れて復帰を求めてきたとは思えないこの仕打ち。女性が納得できるはずもない。しかもこの店の勤務体系の問題点は他にもあった。
「有休は年1日しかないので、友人の結婚式で1日使うとその年の他の友人の結婚式に参加する場合は欠勤扱いになる」
そのため「二次会から遅れて参加する」こともしばしばあったという。法的にアウトであろう勝手な仕組みだが、当時の彼女は「個人店だから仕方ない」と受け入れてしまっていた。
現在女性はこの店を退職している。何年くらい働いたかは不明だが、当時を冷静に振り返り、こう結んでいる。
「今考えればすぐそんな会社辞めてしまえば良かったのにと思うのですが、働いている時はそれが当たり前と思って働いていた」
「我慢していたし個人店だから仕方ないと思っていたので、感覚が麻痺していたと思います」
閉鎖的な場所では、暴力や理不尽が当たり前になってしまう。外の世界を知って、自分の感覚を取り戻すことの大切さを思い知らされる。
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