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空港で働く人気の職業「グランドスタッフ」 キラキライメージの裏に「過酷な労働」

「13歳のハローワーク」公式サイトが2014年12月に発表した中高生の人気職業ランキングで第1位に選ばれたのは、「グランドホステス」という仕事だ。業界では「グランドスタッフ」と呼ばれ、空港で利用客の案内や搭乗手続きなどをする制服の女性たちのことである。

客室乗務員と並ぶ華やかなイメージで、「働いてみたい」と憧れを抱いた人もいるかもしれない。しかし現実には、想像を超える厳しい労働環境で働いていた。若手グランドスタッフの2人に、その実態について聞いてみた。

入社わずかで「転職用の履歴書」を用意している人も

人と関わる仕事は好きだけど…

人と関わる仕事は好きだけど…

取材に応じてくれたのは某航空会社の正社員で、首都圏の空港で働くグランドスタッフの2人。それぞれ有名私立大学を卒業し、学生時代には海外留学経験もあって語学も堪能だ。しかし入社からわずかの期間で、すでに退職を考えているという。

――どうして「グランドスタッフ」になりたいと思ったの?

 人と関わるのが好きっていうのが大きいかな。空港にいればいろんな人と接することができるし。あとは語学を使える仕事がしたかったっていうのもある。本当は商社とかに入りたかったけど、受からなかった(笑)。

 私もマスコミに行きたかったけど。でも飛行機が好きだから、この仕事でもいいかなって。海外旅行に行くときに空港に来ると、ワクワクした気持ちになるじゃん? そういう場所で働きたいなと思ったの。

―― 24時間稼働している空港で働いてみて、実際の生活はどう?

 もう大変。毎日がとにかくあっという間に過ぎていく。何よりも朝早いのが辛い。いまなんか、朝2時起きだもん。最近は「いつ辞めようかな」しか考えてない。面接を受けに行ってるわけではないけど、転職サイトに登録して、空いている時間に見たりしてる。

 わかる! 朝起きれないもん。家を出る時間には、まだ外は真っ暗だし。私、履歴書はもう何枚か書いてるよ。

理想と現実のギャップの大きさに愕然

――入社してすぐのころはどんな感じだった?

 ほんと毎日泣いてた。最近はようやく泣かなくなったけど。辛すぎて、あっという間に体重が減っていって…。夏が来るまでに、体重が5キロくらい落ちちゃったかな。

 最初に配属されたカウンターのときは、まだよかった。ジョブローテーションで荷物受け取りのところに行ってからは、ホントに大変。これは長くは続かないなと思ったよ。特にいまはサマータイムの関係で到着便の時間が早まって。この時期の朝番はとくに寒いし、暗いし、眠いし…。

 逆に遅番は、午後5時半から夜中とか明け方までだし。夕方の出勤時間って、普通はみんな帰る時間じゃん。「わたし何やってるんだろう?」って思うことはあるよ。

――具体的に、どんな感じで働いてるの?

 基本は「早番2日、遅番2日、休み2日」っていうスケジュールがぐるぐる回ってる。これだと、普通の企業で働いている子よりもお休みが多くなっちゃうから、調整勤務が月に1回あって、5日働いて1日休みの勤務調整がある。これはきつい。

 でも仕事で大変なことが多いのは、入る前から分かってたんだよね! 分かってたんだけど、それでも「正直しんどいな」と思うことが多いかな。

 よく言われてることだけど、お給料も安いしね。深夜手当とか住宅手当がついて、やっと同世代の子たちがもらってる給料と同じくらいだもん。あと10万くらい高かったら、我慢できるのかな(笑)。

 空港から電車で10分くらいのところに住まないと、住宅手当出ないしね。支給される駅が決まってて、そこから離れると1円も出ない。だから、みんな同じ界隈に住んでる。「自分のマンションに同業の子がいる」っていうのも、あるあるだよね!

 まあ朝早いから、その方が便利だけどさ。駅でも買い物してても、普通に先輩に会うからプライベートな時間という感じしない。でも引っ越したくても、住宅手当のことを考えたらここに住むしかない。

「この仕事、やっててよかったな」と思うことはある

――具体的にはどういう業務があるの?

 大きく分けると、「カウンター業務」と「荷物受け取り業務」「搭乗口での案内業務」の3つ。あと、到着したときの「荷物の取り出しのサポート」もグランドスタッフの仕事というのは、意外と知られてないのかもね。

 私が一番楽しいと思えるのは、カウンター業務かな。旅行でワクワクしながらやって来るお客様と接することができるから。お客様が最初に接するのがグランドスタッフだから、航空会社のイメージづけになる重要な場所じゃないかと思ってるよ。

――接客だと、クレームとか多いんじゃないの?

 正直、座席変更とか荷物の重量オーバーに対するクレームを言われることはあるんだけど、入社時に想像していたよりはるかに少ないかな。最初はもっと怒られてばっかだと思ってたけど。何事もなく1日が過ぎる日も多くて、むしろ入社してからのギャップかも。

 お客様に感謝されることも、たくさんあるよ。車椅子に乗った東欧からのお客様をケアすることがあって、英語が全く通じなくてね。で、説明するために絵を描いたの。そしたら別れるときに、泣きそうな顔で何度もありがとう、ありがとうと言ってくださって。あのとき「この仕事、やっててよかったな」と思ったよ。

――空の旅は安くないし、空港の利用者って客層としてはかなりいい方だもんね。

 そういえば、お客様に助けられることもあったな。クリスマスの欧州便に、ペアルックのご夫婦が搭乗手続きをしてきたんだけど、間違って期限切れの方を持ってきてしまった。お客様にそのことを伝えたら、奥さまは冷静に「あら~」の一言。

出発まであと2時間半あるので、ご自宅に取りに帰られてはと勧めたの。こちらもギリギリまで待つからって。でも地方からいらした方で、取りに帰ることはできないし、チケットも時間変更できない。私だったらパニックで絶対泣いてるし、カウンターで騒いでたかもしれない。結局、上品な感じで去って行かれて、すごくできた方たちだなと思った。

自分の接し方次第で「お客様の満足」が決まる仕事

――なんか話を聞いてると楽しそうな仕事で、辞めたいなんて信じられないけど。

 記事にすると誰だか分かっちゃうから、ここでは話せないこともあるけどさ(笑)。でも確かに、辞めてみたら「あの頃は楽しかったな」と思うのかも。

 グランドスタッフをやってる子たちって、人と接するのが大好きなんだよね。もちろんマニュアルはあるんだけど、実際にお客様と接するときはイレギュラーなことがたくさん起きるから、自分の接し方ひとつですべてが決まるってところはあるよね。

 自分では大きなことしたつもりなくても、感謝してくださるお客様がいて、やっぱり「ありがとう」って言われるのが嬉しいんだよね。

 その笑顔が見られるから、毎日苦しくても頑張れるんだと思う。最初はクレームだったのに、対応していくと最後には笑顔になってくれるお客様も多いしね!

後編:「女の園」グランドスタッフの栄光と苦悩 「何歳までこの仕事を続けるのか…」

あわせてよみたい:「医療翻訳家」という仕事――研究者を続けられなくても、医学の発展に貢献できる

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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