ただでさえ「相手の時間を奪う」とされる電話だが、相手が休みと知りながら、自分の都合でかけてくるのだからたまらない。仕事柄、論文を読むなど勉強をしなくてはならないのに、「まったく個人的な時間が持てず生活が苦しくなっている」と嘆く投稿者。個別にやめるよう頼み、メールにして欲しいと伝えているが、やめない人も多いという。「何か上手いあしらい方や対処方法があれば教えてほしい」と呼び掛けていた。
これにブックマークが500以上つき、様々な意見が寄せられた。「電話に出なければいいだけでは?」を初め、そもそも電話に出てしまうから良くないとする声が大半だ。
「絶対に休みの日はでないようにすると、『休みの日は連絡つかない人』になるので、皆それに合わせるようになる」
「電話してる人は『休みって言ってるけど電話出てくれてるってことは別に電話くらいええんやろ?』って思ってるので電話出ないくらいしか解決策無い」
といった声や、仕事とプライベートの電話を分けて、休日は業務用は出ない、という助言が多い。
確かに、投稿者は嫌がりながらも電話に出てしまうため、相手は際限なくかけてくることになる。コメントには、なんだかんだ言ってもこういう人は頼られる自分に酔っているという指摘や、「電話に出てくれるのはOKのサイン。増田(投稿者)は電話に出るのでどんどん電話しよう」などの皮肉もあった。
責任感がアダに……フランスでは「つながらない権利」を保障する法令がある
一方でコメントには、「なぜ電話にでるのか?」としつつ「正義感が強くて真面目な人ほどそうかもね」など、投稿者に同情する声もある。投稿者は、取材された後で言葉の確認を受けることが多いため、
「電話無視したらいいってのは分かるんだけど、自分が放置することで間違った知識が世に広まるのは避けたいのもめちゃ分かる……(中略)専門性の高いニッチな知識持ってる人あるあるだわ」
と理解を示す人もいた。投稿者は、「対応しないわけにもいかない」と責任感に駆られていたため、頼られ、連絡が集中してしまうのだろう。
しかし問題は、雇い主側にもあるだろう。性質は違うが、社外に24時間コールセンターがあるようなもので、投稿者は雇い主にとって非常に便利な存在になってしまっている。
フランスやイタリアでは、企業に勤務時間外のメールや電話に反応しない「つながらない権利」の環境整備を義務づける法律が施行されている。つまり勤務時間外に連絡を取ることは、権利侵害につながると認められているのだ。こうしたルールがほとんど無い日本は、気をゆるめるとすぐに「休む権利」が消えてしまうのだから、自分も企業も、よくよく気をつけた方がいい。