新型コロナウイルスの感染防止のため、テレワークの導入が推奨されている。LINEリサーチの調査によると、4月中旬には一都三県の導入率は53%。過半数の企業で導入されている。
しかし、神奈川県40代男性の職場では「インフラが整っていない」と実施に踏み切れていない。導入について、職場の環境格差があらわになっているようだ。(文:林加奈)
「出社人数が減らないので職場は常に密の状態」
東京都20代女性は、「2月はじめからテレワークの準備を進めるように上司に言っていた」が、聞き入れてもらえなかった。3月になっても始まらず、「子どもの休校もあり私だけ無理やりテレワークにさせてもらった」と綴る。
「それでも週に半分は出社を求められることに。緊急事態宣言になりようやく出社人数を減らすとのこと。ただ表向きは7割と言っているが、実際は半数以上出社している」(事務・管理)
女性は「出社人数が減らないので職場は常に密の状態。怖くて会社に行けない」という。自身が感染すると子どもの面倒を見る人がいなくなるため、「うつるわけにはいかない」と怯えながら出社してる。
「テレワークの環境が整わないまま在宅勤務を命じられた」
一方、20代男性はテレワークを実施しているが、すでに退職を決意している。テレワークができない人からすれば何ともうらやましい話だが、実態は決して楽なものではないという。
「テレワークの環境が整っていないにもかかわらず、在宅勤務を命じられた。その上、通常通りの成果を上げなさい、と。先に環境を整えてからでは?と思う。そんな会社に嫌気がさして退職を決意した」(大阪府/営業)
通常、企業はテレワークの環境を整えた上で導入する。新型コロナのように早急な対応が求められることもあるが、それでも試行錯誤して働きやすい状態を作り上げる必要がある。
その環境も整備せずに「成果を上げろ」としか言わない企業に不信が募るのも、もっともだ。そもそも営業活動が自粛されている中、通常時と同じ成果を上げろというのも酷な話でもある。感染拡大防止にもつながるテレワーク。予断を許さない状況が続くが、テレワークについてまだまだ課題を抱える企業は多い。
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