弁護士相談プラットフォームを運営するカケコムは6月24日、「コロナ解雇」に関する調査結果を発表した。調査は6月下旬にネット上で実施し、新型コロナウイルスの影響を受けて解雇された100人から回答を得た。
“コロナ解雇”に遭った人のうち「違法だったと思う」(15%)と考えている人は1割強いることが分かった。「違法だったとは思わない」(53%)という人は約半数。「分からない」(32%)とした人も3人に1人ほどいた。
「会社の経営状態から見ると仕方がない」
「違法だと思う」とした人に理由を聞くと、
「解雇ではなく、雇用を維持して社員の生活を守るのも企業の責任であると思うから」(40代男性)
「いくらコロナの影響だからといって、今解雇されたら厳しいのがわかっていながら強引に解雇を言い渡されたから」(40代男性)
といった声が寄せられた。また、契約社員の中には「契約期間中なのにも関わらず解雇されたからです」(20代女性)という人もいた。
一方で「違法だったとは思わない」「分からない」とした人からは
「納得しない形で解雇されたのは不満ですが、会社の経営状態から見ると仕方がないのかと思うからです」(30代男性)
「解雇されたことは残念でなりませんが、日本のみならず、世界的を震撼させたコロナ禍に会社も被害者だと思います」(40代女性)
などの声が寄せられた。新型コロナの影響で経営不振に陥った企業は多い。実際には違法かどうかはケースによって異なってくるが、ある程度は仕方ない、勤め先も被害者だ、とする声も多かった。
「いくら会社の為に働いても契約社員は直ぐにクビを切られると知りました」
解雇を言い渡された後に「今後の生活のために何をしたか」と聞くと、最多は「雇用保険の手続きを行った」(49人)だった。次いで「ハローワークに相談した」(38人)、「コロナに関わる各種支援制度を利用した」(24人)などと続いた。
また、少数派ながら「解雇を取り消してもらうよう会社に交渉した」(5人)、「弁護士に相談した」(2人)という人もいた。
雇用保険の手続きを行った人からは「無理に次の仕事を探すより、すぐに給付金を受け取れるので金銭面で助かったので良かったと思います」(20代女性)などと生活費を確保するために行動したという人が多かった。また、ハローワークに相談した人からは
「すぐにハローワークに行って相談しましたが、担当者親身になって相談にのってくれて、次の仕事が見つかりました。クヨクヨせずすぐにハローワークに行って良かったです」(30代女性)
「ハローワークに相談することで、解雇の怒りを少し和らげることもできたし、次の職に目を向けることもできた」(30代女性)
と次の仕事に目を向けるきっかけになった人が多かったようだ。
一方、解雇の取り消しを会社に交渉した人からは
「会社に取り消して貰えないか交渉しましたが無理だと言われました。今回のコロナでいくら会社の為に働いても契約社員は直ぐにクビを切られると知れました」(20代女性)
と直接交渉のハードルの高さを実感したという声もあった。ただ、中には「コロナで仕事が減ったが仕事が増えればまた雇うという形にはなったんでとりあえず言うべきことは言ったほうか良いと感じました」(40代男性)と妥協案を提案してもらえた人もいたようだ。