この動画で学べること
- 新しく設置された「医療DX推進本部」でどんなことが取り組まれるのか分かる。
- 「骨太の方針2022」の中で医療分野のDXについてどう言及されていたのか分かる。
- 医療機関や患者にかかわる医療データの扱いがどう変わるか、予測の材料が得られる。
こんな人におすすめ!
- 医療機関や薬局に勤めている人、医療関係のサービスに関わっている人。
- 医療分野のDXとして今後どんなことが行われるのか興味のある人。
- 企業のDX担当者として、他の分野での事例が知りたい人。
方向性は「骨太の方針2022」ですでに示されている
この動画ではどんなことが学べるの?
10月12日に「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部」の会合が開かれたというニュースが報じられた。ツイッターでも「紙の保険証がなくなり、マイナンバーカードが義務化される」とにわかに話題を呼んでいる。
でも、あの内容はすでに「骨太の方針2022」(経済財政運営と改革の基本方針2022)として6月7日に閣議決定されている。この動画は、その「骨太の方針」の内容を医療ITコンサルタントの大西大輔さんが分かりやすく解説しているよ。
でも、あの内容はすでに「骨太の方針2022」(経済財政運営と改革の基本方針2022)として6月7日に閣議決定されている。この動画は、その「骨太の方針」の内容を医療ITコンサルタントの大西大輔さんが分かりやすく解説しているよ。
「骨太の方針」ではどんな内容が示されているの?
「オンライン資格確認の義務化」と「電子カルテ情報の標準化」、それに「診療報酬改定のDX」の3つだよ。動画では、医療機関にとってメリットが大きいものが並んでいるのでは、と評価されている。業界としても20年来の待望の動きになっており、かなり大規模な「DX」の事例になると見られている。
「オンライン資格確認の義務化」とは、どういう意味なの?
病院や診療所、薬局は、患者が加入している医療保険を確認する必要があるけど、確認をオンラインでできるしくみが2021年10月20日から始まっている。でも、カードリーダーや端末、ソフトなどが必要なこともあり、対応していないところもあった。これを2023年4月から原則義務化するということだ。
これにあわせて、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むように、マイナンバーカードの健康保険証としての利用申し込みを行った人に7,500円分のポイントがつく「マイナポイント第2弾」が始まっている。
2024年秋には現行の健康保険証が廃止される方針で、最終的にはカルテの共有を含む「全国医療情報プラットフォーム」を構築し、医療機関の事務負担を軽減したり、健康診断の情報を共有したりといったしくみづくりにつなげたいという。
これにあわせて、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むように、マイナンバーカードの健康保険証としての利用申し込みを行った人に7,500円分のポイントがつく「マイナポイント第2弾」が始まっている。
2024年秋には現行の健康保険証が廃止される方針で、最終的にはカルテの共有を含む「全国医療情報プラットフォーム」を構築し、医療機関の事務負担を軽減したり、健康診断の情報を共有したりといったしくみづくりにつなげたいという。
「国による一元化、業務の効率化」は既定路線
「電子カルテ情報の標準化」はどんなことをするの?
電子カルテの標準化ではなく「情報」の標準化であることに注意してほしいんだけど、電子カルテシステムのアウトプットのコードを標準化することで、電子カルテのデータが自由に交換できて、システム間連携にお金がかからないしくみを作るということ。
これにより、患者がいつでもそのデータにアクセスできるようになるなどのメリットがある。災害で紙のカルテが流されたり焼失したりしても、データはクラウドに蓄積されているのでいつでも取り出せる、という状態を目指しているようだ。
これにより、患者がいつでもそのデータにアクセスできるようになるなどのメリットがある。災害で紙のカルテが流されたり焼失したりしても、データはクラウドに蓄積されているのでいつでも取り出せる、という状態を目指しているようだ。
「診療報酬改定のDX」というのは?
レセプト(診療報酬明細書)のデジタル化は進んでいるけど、2年に1度ある診療報酬改定ごとにプログラムの改修が必要で、そのために各ベンダーでは2月末に確定した仕様を基に、プログラム改修を大急ぎで行い、4月1日の施行に間に合わせていた。
これを、厚生労働省が中心になって、レセプトの算定モジュールを作成して公開するという形に変えるということだ。これでベンダーの負担が軽くなり、一元対応することで現場でのミスも減少しそうだ。
これを、厚生労働省が中心になって、レセプトの算定モジュールを作成して公開するという形に変えるということだ。これでベンダーの負担が軽くなり、一元対応することで現場でのミスも減少しそうだ。
全体的に国による一元化を進め、それによって業務の効率化を図ったり、データの利活用を進めたりする方向だね。日本共産党は一元化の「強制」は「民主主義を壊す」と反対しているけど。
これまではそういう反対に配慮してきたんだろうけど、たぶんこの方向は変わらないだろうね。やっぱりコロナ禍が大きいよ。台湾などではコロナ対応にデジタル技術が有効に使われていたけど、日本では手作業が大量に発生し、非効率な事務で感染拡大が防げなかったり、無駄なコストが膨らんだりした。
もう漠然としたデジタル化ではなく、「現実に発生してしまった大きな問題を解決し、再発を防止するための対策」という段階に進んだといえる。これは国だけでなく、各企業におけるDXでも同じことがいえると思うよ。
もう漠然としたデジタル化ではなく、「現実に発生してしまった大きな問題を解決し、再発を防止するための対策」という段階に進んだといえる。これは国だけでなく、各企業におけるDXでも同じことがいえると思うよ。
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