この動画で学べること
- 日本企業のDXが遅い理由を「雇用慣行」「人事制度」「組織文化」から分析している。
こんな人におすすめ!
- 「なぜ我が社はDX人材が獲得できないのか?」と困っている経営者。
- 「自分の仕事にはDXは関係ない」と思っている人事担当者。
- どうやったら自分の給料が上げられるのか、と考えているITエンジニア。
「給料を上げたければ転職しろ」が現状の結論
この動画ではどんなことが学べるの?
一般社団法人デジタル・イノベーション代表理事でDXIA代表の石川恵理香さんが、AZCA, Inc.東京事務所代表パートナーの奥村文隆さんにインタビューしているよ。
テーマは、遅れているといわれるDXを日本でいかに進めるか、というもの。奥村さんはズバリ「日本のDXは、デジタル人材の給与アップで加速する」と言っている。
そうじゃないと、専門性を発揮すべきデジタル人材のモチベーションが湧かないし、業務負荷ばかりがかかってしまう。
テーマは、遅れているといわれるDXを日本でいかに進めるか、というもの。奥村さんはズバリ「日本のDXは、デジタル人材の給与アップで加速する」と言っている。
そうじゃないと、専門性を発揮すべきデジタル人材のモチベーションが湧かないし、業務負荷ばかりがかかってしまう。
とはいえ、日本企業がデジタル人材の給与アップだけを急にアップすることは、ちょっと考えられないけど。
そうなんだよね。現実にどういうデジタル人材なら給与が上がるかというと、スキルの高さではなく、単純に所属する会社の全社的な給与水準によるところが大きい。
同じDX人材と言われる人でも、外資系のITコンサルタントなら年収1,000万円以上になるけど、日本のメーカーの社員だと400万円から700万円の間だったりする。
だから、デジタル人材が給料を上げたければ「転職しろ」という結論になってしまう。
同じDX人材と言われる人でも、外資系のITコンサルタントなら年収1,000万円以上になるけど、日本のメーカーの社員だと400万円から700万円の間だったりする。
だから、デジタル人材が給料を上げたければ「転職しろ」という結論になってしまう。
日本企業、特にメーカーはそういうカルチャーだからね。
日本企業は30年、40年勤め続ける終身雇用の正社員を前提として採用や処遇を行っているし、管理職を経て役員、経営陣になる以外のキャリアパスがない。
背景には、長く勤め続けるほど、スキルが熟達し、会社のこともよく理解できるようになる、という考え方があるんだろうけど、テクノロジーや事業環境の変化が激しい時代に、それでやっていけるかといったら難しい。
背景には、長く勤め続けるほど、スキルが熟達し、会社のこともよく理解できるようになる、という考え方があるんだろうけど、テクノロジーや事業環境の変化が激しい時代に、それでやっていけるかといったら難しい。
社員に占める「IT人材」の割合が低い日本の事業会社
根本的な問題は年功序列だけど、デジタル人材の専門性の価値を会社が評価できなきゃ、給料も上がらないよね。
給料が上がらない問題は、メーカーだけでなく日本のIT企業、SIerでも起こっていることだという。
日本のITビジネスは、結局は人材派遣の人月仕事になっているから、いきなりは単価を上げられない。上げようとすると、単価の安いオフショア開発との競争になってしまう。
一方、米国の場合はIT企業のビジネスがGAFAのようにプラットフォーム化していて、蓄積したデータを基に新しい商品・サービスや新しいマーケティングを生み出している。だから、価値を生み出せる人材への評価ができるという。
日本のITビジネスは、結局は人材派遣の人月仕事になっているから、いきなりは単価を上げられない。上げようとすると、単価の安いオフショア開発との競争になってしまう。
一方、米国の場合はIT企業のビジネスがGAFAのようにプラットフォーム化していて、蓄積したデータを基に新しい商品・サービスや新しいマーケティングを生み出している。だから、価値を生み出せる人材への評価ができるという。
支払いの原資をどうやって確保しているかの違いだね。
日米の違いでいえば、日本の事業会社では基幹システムやネットワークの保守、セキュリティ対策などの「守りのIT投資」に多額が費やされているけれど、米国では製品・サービスの開発や顧客行動/市場分析の強化、ビジネスモデルの変革など「攻めのIT投資」に重きが置かれているという指摘もあった。
また、社員に占めるITデジタル人材の比率が日本の事業会社は低く、DXに回せる人員は0.3%しかいないのに対し、米国では4%いるといった数字も出ていたね。
また、社員に占めるITデジタル人材の比率が日本の事業会社は低く、DXに回せる人員は0.3%しかいないのに対し、米国では4%いるといった数字も出ていたね。
でも、事業会社にいるよりSIerやITコンサルにいた方が給料がいいんだから、社内にデジタル人材が少ないのは当然だよ。
それにも終身雇用や、解雇のしにくさが関係しているのかもしれない。ITの仕事は自社の基幹業務ではなく一時的なものだから、社内に抱えず、必要に応じて社外の人材を使えばいいと考えているのだろうね。
「人事体制も含めたデジタル化」が大きな課題に
でもいまやデジタル技術は、事業や業務のあらゆるところで求められていて、社内にちゃんとしたデジタル人材がいないとまずいんじゃないかな。さらにスピードを考えれば、現場に近いところで内製化する必要も出てくる。
その点について、この動画でも給与体系を変えた組織を紹介している。まずはデジタル省で、国家公務員の平均年収700万円以下のところ、1,000万円以上で募集しているという。
ただし制度の根本を変えられないので、「デジタル人材手当」や「特別枠」「短期雇用の特別報酬」といったイレギュラーな扱いをしているのではないかということだ。
また、日本企業でも、NECが「AI等の分野で大学時代の論文が高い評価を得た新卒者を対象に1,000万円を提示」したり、専門性の高いデジタル人材に富士通やNTT系の会社が3,000万円の年俸制で雇用したり、そういう例は一部に出ているようだ。
ただし制度の根本を変えられないので、「デジタル人材手当」や「特別枠」「短期雇用の特別報酬」といったイレギュラーな扱いをしているのではないかということだ。
また、日本企業でも、NECが「AI等の分野で大学時代の論文が高い評価を得た新卒者を対象に1,000万円を提示」したり、専門性の高いデジタル人材に富士通やNTT系の会社が3,000万円の年俸制で雇用したり、そういう例は一部に出ているようだ。
でも、全体の底上げも欲しいところだ。
特に気になるのが製造業、メーカーでの硬直的な処遇だ。動画でも指摘されていたけど、日本はいまだに製造業が強い国なのは事実。
製造業の中で活躍できるDX人材が、専門性に応じた処遇を受けられるようになると、確かに日本のDXはもっと進むし、国際競争力も高まっていく。人事部門としては「人事体制も含めたデジタル化」が大きな課題になっていきそうだね。
製造業の中で活躍できるDX人材が、専門性に応じた処遇を受けられるようになると、確かに日本のDXはもっと進むし、国際競争力も高まっていく。人事部門としては「人事体制も含めたデジタル化」が大きな課題になっていきそうだね。