開発期間を大幅短縮。化学メーカーが真剣に取り組む「MI」とは? | NEXT DX LEADER

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この動画で学べること

  • 化学メーカーがなぜ「DX」に真剣に取り組んでいるのかが分かる。
  • 素材開発における「MI」(マテリアルズ・インフォマティクス)の概要が分かる。

こんな人におすすめ!

  • 化学メーカーで行われている「本気のDX」を知りたい人。
  • AI(人工知能)の技術がどういう分野で役立っているのか知りたい人。
  • 自社でもAI技術を活用したいが、活用場面のイメージが湧かない人。

人工知能を用いて素材開発を効率化

DXを学びたい男性
この動画ではどんなことが学べるの?
DXに詳しいロボット
化学メーカーで研究職として働く投稿者さんが、「AIが研究者に置き換わる?」という問いに対する答えを動画にまとめているよ。最近、化学会社が経営計画のなかで「DX」を掲げているというニュースを見るけど、その意味がよく分かる。

具体的には「MI」、マテリアルズ・インフォマティクスについて解説していて、これを採用することで、開発期間の短縮やコストダウン、人智を超えた設計なども期待されている。取り組まないわけがないよね。
DXを学びたい男性
MIって、どんなことをするの?
DXに詳しいロボット
MIとは、AI、つまり人工知能を用いて素材開発を効率化する取り組みを指す。AIというのは、膨大な量のデータを学習し、その中から自然なパターンを見つけ出すことが得意だけど、これを応用して素材開発を効率化しようというわけだ。

素材開発とは、ある要求性能をクリアした化合物を設計すること。「熱特性や電気特性を改良してほしい」といった顧客ニーズが多様化・高度化し、製品のライフサイクルが短縮化する中で、新しい開発手法が不可欠になってきた。

そんな中、コンピュータにインプットする材料のデータベースが比較的整備しやすく、特性も数値化してアウトプットできる素材分野は、AIと相性がよさそうということで研究が進められてきたという。

化学薬剤の開発期間が10分の1に短縮

DXを学びたい男性
AIが人間より優れているところってどこなの?
DXに詳しいロボット
「予測」だね。化合物の性能は、その分子構造や結晶構造、材料組成などで変わるので、素材開発を行うときには、目的の化合物の構造を予測して設計が進められてきた。

その予測は、これまでは熟練経験者の経験や勘による試行錯誤で進められてきたんだけど、AIを使って「予測モデル」を作り、目的とする化合物の情報を入力することで、その構造を予測することができる。
DXを学びたい男性
それって熟練経験者の頭の中を再現していることになるのかな。
DXに詳しいロボット
そういう側面もあるけど、AIは膨大な数のデータを先入観なく学習するので、動画によると「人智ではたどりつけない新規の発見の可能性も秘めている」という。

ただし、予測モデルの精度を上げるためには、大量のデータ収集とクレンジング(選別作業)が必要なので、それを整備するために組織の風土改革が必要、といった大掛かりな問題に取り組む必要も出てくる。
DXを学びたい男性
すでに成果が出ているところもあるのかな。
DXに詳しいロボット
住友化学では、ある耐熱トリマーを合成する際に、材料となるモノマー候補が13通り、組成の組み合わせが100万通りにのぼっており、いかに少ない実験条件で目的の組成を見出せるかが問われていた。

そこで、予測モデルを用いて提案された実験ポイントで実際に実験を行い、そのデータを予測モデルにフィードバックしてサイクルを回す手法をとったところ、4サイクル目の実験で、目的とする化合物の合成に成功したという。

こういう手法で新規材料の探索や開発期間の短縮につなげられるのであれば、化学会社がDXやMIに真剣に取り組む理由も分かる。最近では、フォトレジストという化学薬剤の開発期間を10分の1に短縮できたというし、MIを活用した競争力強化が期待されるね。

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YouTube:【DX・MI】意味あるの?化学メーカーが進めるデジタル改革、住友化学の事例も解説【化学メーカー解説】

考察記事執筆:NDX編集部

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