『世にも奇妙な物語』 どのエピソードを覚えてる? 「ハッピーエンド」の回もあるって知ってた?
フジテレビ系列で1990年から放送されたオムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』。タモリがストーリーテラーとして登場することでおなじみ。レギュラー放送されていた時期もあるが、昨今は番組改変期の特番扱いが多い。長年、楽しみにしているという方も結構多いんじゃないだろうか。
僕は1990年のレギュラー放送をリアルタイムで観て育ち、「妖怪が出ないけど怖い怪談」みたいな印象を抱いていた。
学校でもクラスのみんなと話題にしていた記憶がある。
今日はそんな『世にも奇妙な物語』の話。本作が好きな「奇妙な世界の住人」の方々は、暇つぶしに読んでってもらいたい。(文:松本ミゾレ)
「ハイ・ヌーン」「プリズナー」「懲役30日」……
さて、30年以上続いているシリーズだけあって、多くエピソードがみんなの記憶に刻まれているようだ。ガールズちゃんねるでは「『世にも奇妙な物語』で印象に残った話」というトピックが盛り上がっていた。
「私は『懲役30日』が一番印象に残っています。初めて見た時はゾッとしたのですが、その後凶悪犯にはこれを適用すれば良いのにと思う様になりました」
「『墓友』普通に怖かった。特にラスト」
「高橋和也と竹中直人が出てた『プリズナー』。ビデオテープだったからああいう話も作れたけど、今はDVDどころかサブスクだもんなぁ…」
「沢山あるけど『ハイ・ヌーン』かな。玉置浩二の方の。平成になったばかりでまだまだお店、人々が昭和感たっぷりで忘れられない」
「『友子の長い夜』試験勉強の時に限って、部屋の掃除や漫画の全巻読みしたくなるのはかなり共感したな」
と、こんな具合に色んな意見があった。他にも延々出てくる。
『ハイ・ヌーン』を挙げる声は結構多くて、割と多くの人の印象に残っている様子である。
元々は江口寿史のギャグ漫画作品『すすめ!!パイレーツ』に収録されたエピソードの一つが原型になっており、これを原作として、ドラマでは玉置浩二が場末の食堂で料理のメニューを片っ端から食べていくという内容。原作とはオチがちょっと異なる。
見どころは、玉置浩二のやけに不気味でちょっとだけ可愛らしい演技。魅力的で、面白い。笑顔も気持ち悪いんだよね、何を考えているか分からない。人気のエピソードだったため、2015年には和田アキ子を主演としてリメイクまでしている。が、そちらのほうはあまり話題にならなかった。
珍しい「ハッピーエンド」の回
さて、『世にも奇妙な物語』の公式サイトでは、これまで放映されたエピソードの放映日と簡単なあらすじ、出演者情報のリストが閲覧できる。ざっと眺めてみたけども、やっぱり最終的にバッドエンド扱いの話が多い。
反対に「良かったねえ!」と手放しで喜べる作品は少ない。ハッピーエンドで終わる……と見せかけてその記憶を消去するみたいなオチとかもあるから、最後まで油断ならないのが『世にも奇妙な物語』だ。
そんな中で逆に、たま~にこちらが戸惑うぐらい、凄いストレートにいい話で終わるものがある。その一例として挙げたいのが2000年放送の『最後の瞬間』だ。
主演は伊東四朗。保険の外交員をしている主人公は、保険を契約した人の「最期の瞬間」が見えるようになってしまい、狼狽する。
伊東四朗が実写版『笑ゥせぇるすまん』で主役・喪黒福造を演じていたこともあり、初見のときには「うわ~なんかこの外交員が喪黒になるオチじゃないか?」と戦々恐々。ところが終わってみれば、実に清々しいオチだった。
ラストに至る少し前から「あれ? めちゃ美談になってきたぞ」と思ったけど、『世にも奇妙な物語』だからと油断せずに見守ったら本当に美談で終わったのである。この衝撃もあって、僕はこのエピソードが一番印象に残っている。話も面白かったし。
で、この経験もあって、以降はどんなエピソードも「あ、これも美談で終わるんじゃないの~?」なんて意識するようになった。まあ基本的にそんなことはなく。ガッツリ不幸ルートで終わるんだけどね。
さて次回は6月18日(土)夜21時から、「世にも奇妙な物語 ’22夏の特別編」が放映されるらしい。公式サイトによると、エピソードは(1)「オトドケモノ」北山宏光 (2)「何だかんだ銀座」有田哲平 (3)「メロディに乗せて」生田絵梨花 (4)「電話をしてるふり」山本美月の4本らしい。さてはて、今回はどんな話なのか……。