男性はその人影について、こう綴った。
「だんだん近いていくと普通と違うのが分かって、街灯の下にいるのにその人は全身真っ黒で、顔も衣服も判別できず。黒い部分はまるでボールペンで黒く塗ったような感じで、黒いところがグニグニ動いているような……。さらには、身長はゆうに2.5m以上くらいあって、ただ立っているのですが、こちらを見ているのは分かる」
近づくとそれは、“ただの人”ではないようだった。
「これはまともに見ると車に入ってくるような気がしたので、見えてないふりをして、自車の車線だけを見てその場をやり過ごそうと……。ことさら加速するようなこともなく通過したのですが、目の端には当然見えています。一番近くになった時、横目でチラッと確認したら、向こうの目だけがこちらを見ているように見えました」
その人影を意識しないように通過した男性だが、相手の目線は感じたようだ。
「そこから街灯が見えなくなってからは、エンジンふかして大急ぎで帰りました。40年ほど前のことです。それから10年に1回くらい妙な体験をするようになりました」
この出来事がキッカケで、男性の中の“見えるスイッチ”が入ってしまったのかもしれない。
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