大学院へ進学する女性は令和の今も男性に比べると少ない。そのせいで女性研究者が海外に比べて少ないと言われている。女性の大学院進学を阻む理由はさまざまだが、その一つに偏見もあるだろう。
「平成時代の話なので、少し昔です」と書き出した40代後半の女性(愛知県/医療・福祉・介護/年収500万円)。当時国立大学の学生だった女性が、大学院を受験したときのこと。
「国立大学の学生なら少しは考えも近代的ではないかと期待していましたが、そうでもありませんでした」
と当時の思いを振り返った。(文:林加奈)
「配偶者は自分以下の学歴の人がいいから、院に行くと敬遠されるよ」
女性と同じ国立大学に通っていた男性の先輩たちから、
「『女性なのに院に行くの?』とか『女性が大学院行ったら嫁の貰い手がないよ』とか言われました」
と明かす。「同年齢からも『配偶者は自分以下の学歴の人がいいから、院に行くと敬遠されるよ』と」言われた。しかし女性は資格を取得するために院への進学を決意していたので、「ご心配なく。院卒というだけで敬遠する人には興味がありません」と言い返した。
「そして今、院に行って取った資格のおかげで生きていますし、転職も容易でした。行ってよかったと思っています」
と、大学院への進学に後悔はなさそうだ。
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