レジ袋の有料化に伴い、客とのコミュニケーションに苦しむ店員は多い。以前は店員の判断で袋を選ぶことができたが、今はその都度、客に聞かなければならない。曖昧なジェスチャーをされた場合は、店員の判断になるが、それに文句を言いだす客もいるようだ。ドラッグストアに勤務する東京都の30代女性は、
「レジ袋有無、サイズ、枚数など、確認事項が多く煩わしい。マスクで返答が聞き取れず、表情も読めないので、コミュニケーションが取りづらいことがある。だから確認をしているのに、『見てわかるでしょ!?』と突っ掛かられたことも」
といった声をキャリコネニュースに寄せている。さらに女性は「お客さんの考える“常識”が、万人にとって100%同じではない」と続ける。
「あえて大きい袋を購入したい人、マイペースにゆっくりとマイバッグを取り出す人、カバンに直接詰める人などもいるわけで。不機嫌になるなら、先にきちんと意思表示をしてほしい」
スーパーマーケットで働く埼玉県の30代女性も、客の態度に不満を募らせる一人だ。(文:鹿賀大資)
会計が終わってから「やっぱり袋ください」
女性の店舗では、洗濯カゴのようなものを持参する客もいる。また店舗用のカゴにセットするタイプのマイバッグを持参し、装着して当然という態度で頼まれるケースも少なくない。
「セットくらいしてからレジに出してほしい。それに持参のバッグで感染したくないから、出来るだけ触りたくもないです。臭いのは本当に勘弁。会計前に袋の有無を聞いているのに、会計が終わってから『やっぱり袋ください』とか本当に面倒くさいです」
セルフレジを利用する客の中には、備え付けのビニール袋を大量に持って帰ろうとする人もいる。老齢の人に目立つ傾向で、見つけた場合は引き止めるという。
また商品を大量に購入した客から一品ずつシールの貼り付けを指示されたこともあり、「すごく手間です。袋一枚買ってくれって思います」と書いている。
「食品なのに袋が有料とかあり得ない」クレームの嵐に疲弊
パン屋で働く千葉県の50代女性は、接客時にあからさまに迷惑そうな態度をみせる客に不満を漏らす。
「あるお客様は鞄にパンを入れたかったようで、『直接入れても汚れないようになっているんだろうな』と言われたことも。また『食品なのに袋が有料とかあり得ない』など毎日クレームばかりです」
店舗にはサッカー台がないため、マイバックに詰めると時間がかかる。女性は「自然と行列ができたり、『時間ない』とキレられたり……。良いことが1つもないです」と綴る。
ケーキショップ勤務の東京都の40代女性は、レジ袋有料化で商品の保存状態を気にかける。手持ち用の箱を利用する場合はいいが、問題はそれがついていない箱で持ち帰ることだ。
「ただの箱に詰めた時に『袋いらない』と言われることがあります。それだと手持ちで帰るにしても、マイバックに入れるにしてもハラハラしてしまいます」
そうしたこともあり店舗はビニール袋ではなく、紙袋に入れる対応に変えた。その結果「紙袋を有料化する羽目になりました」という。
※キャリコネニュースでは引き続き【店員】ビニール袋有料化で困っていることや「新型コロナで退職を決意した人」に関するアンケートを募集しています。