オタ活で貧乏になっても、人生そのものが充実していれば大した問題ではないようだ。「ヴィジュアル系バンドのライブ遠征で、年間100万円以上は使っています」と語るのは、山梨県の40代女性(パート・アルバイト 年収100万円未満)。コロナ禍以前は、日本全国北から南まで、夫婦揃ってライブ遠征を繰り返していたという。
「ヴィジュアル系バンド全盛期の90年代から、30年以上ずっとバンギャ(ヴィジュアル系バンドの熱心な女性ファンのこと)をしています」
女性の場合、夫婦でライブ遠征にのぞむため交通費や宿泊費が人の倍かかってしまう。それでも「ライブ遠征のおかげで、日本全国にたくさんの友人ができました。お互いに地元の名産品を送り合うほど仲の良い人もいます」と楽しそうだ。(文:大渕ともみ)
「同じCDを10万円以上購入。グッズは発売されるたびに最低2つは買う」
CDやグッズの購入は、バンギャのオタ活の基本と言えるだろう。女性は「CDのリリースイベントでは毎回、同じCDを10万円以上購入。グッズは発売されるたびに保存用・使う用で最低2つは買うので、かなりお金を使っています」と打ち明ける。なぜ同じCDを何枚も購入するのだろうか。
「CDのリリースイベントでは、購入枚数に応じてサインをもらったり、『推し(一推しのメンバー)』との写真を撮ったりできるので、それが楽しみ。毎回かなりの金額を使うのが当たり前になっています」
ここ最近の女性の悩みは、新型コロナウイルスの影響でイベントやライブが控えられていることだ。その代わりに、ネットで開催されるCDのリリースイベントでは、推しとのテレビ電話を楽しむチャンスが用意されているという。テレビ電話の権利を得るべく「同じCDを何十枚も買っています」と女性。オタ活貧乏は、コロナ禍においても留まるところを知らないようだ。
「オタ活に対して、とっても理解のある夫なので助かります」
オタ活にかなりの金額を注ぎ込んでいる女性だが「オタ活に対して、とっても理解のある夫なので助かります」と、夫への感謝の言葉を述べている。「夫はヴィジュアル系バンドに興味がなかったときも、私がライブ遠征をする際には運転手をしてくれていました」と女性は振り返る。
「夫は元々、アニメオタク。息子たちが社会人になって、一緒にライブ遠征をしなくなってからは私のオタ活の相方に。夫婦で遠征することが当たり前になりました」
心おきなくオタ活に精を出すには、家族の理解が必要不可欠だろう。その点、女性はとても恵まれていると言える。そのうえ、アニメオタクの夫を連れ立ってのライブ遠征には、思わぬメリットまであった。
「夫はどこから見てもアニメオタクの風貌。そのおかげで、ヴィジュアル系バンドのライブではとても目立ちます。夫と一緒にライブに行くと、バンドのメンバーからもすぐに覚えてもらえて、声をかけてもらえるので嬉しいです」
オタ活をきっかけに増えた友人。オタ活に理解があり、一緒に楽しんでくれる家族。たとえオタ活貧乏になっても、女性が充実した人生を送っていることは間違いない。
※キャリコネニュースでは引き続き【アンケート】オタ活で貧乏な人や「職場の忘年会ありますか?」に関するアンケートを募集しています。